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ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
騎士王国編 第二部 聖槍ライオネル
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01話 戦いの予感

 ハジメやアートスが【シルドナ」へと攻撃を掛けているころ、いつも通り平和な日常が始まらんと人々が動き出した【アーマネス】に伝令の兵士が駆け込んできた。



「【スピナス】のアジトが襲われた! 生存している者を助けにビリー王子が隠れ家から飛び出してしまった。頼む! 至急援軍に向かってくれ!」



 そう叫び兵士は崩れるようにその場で倒れる。



「大丈夫ですか? 今治療します。」



 フードを深く被り顔を隠しながら走り込みをしていた女性が兵士へと駆け寄り、手をかざすと光り輝く水が倒れた兵士へと降りそそぐ【癒しの雫】水術の回復魔術である。無演唱で行われたその光景に人々がつばを飲み込むと、強い風が吹き込みフードを飛ばす・・・


 黒髪の長い髪が風で靡き、右手を添えた。



「・・・聖女様・・・聖女様だ!」



 近くに居た男性が呟くと、それを皮切りに歓声が上がる。



「何だ! 何事だ!」



 見回りの騎士が部下を引き連れ駆けてくる。



「こちらへ来てください! ビリー王子様からの伝令の者だそうです!」



 騎士たちは顔を見合わせ駆ける速度を上げる。



「あっあなた様は!」



「私のことよりこの方を!」



「ハッ! おい、担架を持ってこい!」



 騎士は部下へと指示を出す。すると振り返り



「この者は何か言ってませんでしたか?」



「【スピナス】のアジトが襲われ、それを助けにビリー王子が出ていかれたと。」



 騎士の顔が驚きに包まれる。



「ですので、援軍を寄こしてほしいと。私も大使館へ戻り準備致します。ですから・・・」



 驚いて固まっている兵士に言い放ちながらユウナは倒れ込んでいる兵士に視線を落とす。



「あっその者は我々で面倒を見ます。治療有難うございました。」



 騎士が頭を下げお礼を言うとユウナは頬を赤らめながら



「傷つき倒れていたのです。助けるのは当たり前です。それに彼は世界の為に命を懸けた勇敢な方ですから。」



「その言葉でこの者も大いに喜ぶでしょう。」



「そっそんな。それよりお願いします。」



「はい任されました。」



 ユウナはその場で頭を下げ駆けだした。



・・・・・・・・・・・・・・・



 大使館客室、ベッドの上で寝転がりながら魔術書を読んでいたサキは突然開かれたドアに驚き首を向ける。ドアから駆け込んできたのがユウナと分かり



「なんだユウちゃんか、脅かさないでよ。」



 頬を膨らませて抗議するサキにユウナは早口で



「これから私の隊は出撃します。ここの守りをお願いします。」



「へ? どういうこと?」



「説明している暇もありませんが、【スピナス】にいる仲間が危なく、騎士国の王子が救援に飛び出してしまったみたいなの。」



「サキも着いてった方が良い?」



 部屋から駆け出ようとするユウナは振り返り



「私だけで大丈夫です。」



 そう言うと勢いよく部屋から出ていくのであった。

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