18話 牢屋の勇者02
男の言葉にマコトは無言となる
「ネルビル、詳しく。」
ビューネはローブを纏った男ネルビルに説明を求めるとネルビルは手もとの資料を数枚めくり
「私の見解を含めても?」
「ええ構いません。」
ネルビルは資料の不足を補うため自身の見解を含めていいか問、ビューネはそれを認めた。
「分かりました。まず聖王国に召喚されたのは16名、内4名がその場の混乱でレミエル様に襲い掛かったと有ります。この4名は実力もあり、南西大陸へ出向いております。」
「うむ、それは私も聞いている。」
ビューネが頷く
「そして襲い掛かった4名を止めるために動いたのが彼を含めた勇者パーティーだと有ります。」
「ほう。その時点では正義感があったわけか。」
低い声でマラバルがマコトを見つめる。
「はい、ですが・・・その場を収めたのは別の者です。後に神狼様とご契約なされた者だと記載されております。」
「え~と、私が聞いたところだと暴れた4名と勇者達4名以外では賢者1名が有能でその他は無能であったと聞いているが?」
ビューネの言葉にネルビルは紙を一枚めくり
「はい、ですが、無能ゆえにおごりが無かったのでしょう。死の恐怖と戦ながら自身を鍛えた結果、先の戦いで活躍されたと聞き及んでおります。」
「なるほど。」
「そして、彼を含めた者たちはミスリル制の武具を渡され優遇されたのにもかかわらず、先の戦いで民を危機に陥れ、森や里へ被害を出したと記載されております。」
「情けないな。」
マラバルの言葉にマコトは顔を背ける。
「なるほど、それで【期待を裏切りし者】という称号を持っているわけか。」
ビューネのその言葉にマコトはビューネを見据え目を見開いた。
「どっどうしてそれを!」
叫びマコトは慌てて口を自身の手でふさぐ。
「ん? おかしなことを聞くな。私は・・・それを教える義務などないが?」
途中考え込んだがビューネは答えなかった。
「そうですか・・・【期待を裏切りし者】それにより力を失ったのですね。」
ネルビルは資料を見返しながら納得した。
「ネル! 1人で納得してね~で説明しろや!」
マラバルにどやされ、ネルビルはため息をつき
「はぁ、だから死の恐怖により逃げ出し、更に被害を出し見捨てられたのでしょう。」
「ああ、だから【煮るなり焼くなりお好きにどうぞ】となる訳か。」
マラバルの言葉にマコトは格子にしがみ付き
「おいっ! それはどういうことだ!」
するとビューネがため息をつき
「はぁ、貴方には聖王国から敵前逃亡罪が掛けられ、聖王国からの支援の一切を受けることが出来なくなっています。」




