17話 牢屋の勇者01
(ここは、牢屋なのか? 俺はあの時・・・)
マコトが状況を把握しようと考え込んでいると、革の鎧を着ているが金髪の髪の長い綺麗な女性を中心に3人格子の前へ歩み寄り
「目が覚めたようですね? 幾つか質問していいかしら?」
凛とした綺麗な声でその女性がマコトへと声を掛ける。
「・・・」
無言でいるマコトに対し傍に控えていた屈強な筋肉質の男が格子を叩き
「返事をしろ! 貴様がどういう状況か分かっているのか!」
「マラバル、良いのです。もう一度お聞きします。いくつか質問してもいいかしら?」
「・・・ああ。」
マコトの返事に女性はにこりと笑い
「まずはお名前を聞いても良いかしら?」
「・・・人に名を聞くときは、まず自分の名から名乗るべきでは?」
こことの返答にマラバルが再度格子を叩き
「名乗れって言ってんだ! 素直に名乗りやがれ!」
すると女性がマラバルの顔の前に手を向け遮り
「良い、そうですね。それが礼儀でしょう。改めまして私はビューネ・ナイトメイス騎士王国第一王女です。それで貴方は・・・」
「・・・マコト・・・マコト・セイギ。」
「マコト・・・聖王国に召喚された勇者様の名が確か・・・」
するとマコトが小さく囁くように
「その勇者だ・・・」
「あん? もっと大きな声で言わね~か!」
俯いていたマコトは顔を上げ、格子を掴み
「俺がその勇者だって言っているんだ! さっさとここから出せ!」
その怒鳴り声にビューネは耳を塞ぐ
「・・・声を抑えてくれるかしら? それで貴方がその勇者だとして、どうしてあの場所に?」
するとマコトは顔を背け
「敵に奇襲され、散りじりに逃げたんだ・・・」
するとそれまで黙っていた眼鏡を掛けローブを身に纏っていた男が紙の書類を捲り
「それは可笑しいですね。」
「何が可笑しいっていうんだ!」
「私の所にその時の報告書の写しが届いていますが・・・敵影を確認した瞬間、真っ先に逃げ出し、聖王国軍の半数を失ったとか・・・我軍も2個小隊分の被害が出ていますね。」
するとマラバルは唾を吐き捨て
「ケッ! 臆病者の勇者か・・・使えやしね~」
マコトはマラバルを睨み付ける
「お黙りなさいマラバル。」
「ハッ! 申し訳ございません姫様!」
マラバルはビューネへと振り向き頭を下げる。
「俺だって頑張って、頑張っているんだ! 突然こんな世界に呼ばれ・・・何も知らないやつが俺のことを悪く言うんじゃね~!」
マラバルがマコトを睨み付けると
「そうですか? 能力的に劣っていた物が、先のオーク氾濫戦役で活躍したと聞き及んでいますが?」
ローブを纏った男がマコトへと言葉を投げかけた。




