16話 回想ー勇者の喪失02
マコトは夕食を終え自身の部屋へと足を踏み入れベッドへと寝転がる。
「・・・硬い・・・」
マコト達は王宮の部屋より兵舎へと部屋を移されていた。今回の失態で信用を失ってしまったからである。
元々マコト達はそのジョブにより優遇されていた。それだけの期待が込められていたのである。
天井のシミを見上げマコトは
「・・・ハジメはアートスと話してばかりだし・・・サキとユウナは・・・俺を好きと言いながら・・・無視しやがって・・・」
マコトが述べたのは先ほどまでの夕食の時のことである。パーティー内では常に浮いていたハジメはアートスを庇いその信用を得たことでアートスと今後について話をしている。
サキとユウナは互いの得た情報を交換し合っているようであった。マコトがその話を詳しく聞こうと声を掛けると顔を歪めるだけで無視されていたのである。
「俺は勇者だ! 誰が何を言おうと勇者なんだ! 【ステータス】」
そう言ってステータスのジョブ欄を見て心を落ち着かせようとしてマコトは凍り付いた・・・勇者の文字が薄く黒ずんでいたのだ。そればかりかスキル欄の【限界突破】も同様で【剣術】【光術】のレベルも3へ下がっていたのである。それに伴い上位スキルであった【纏い術-光】も薄く黒ずんでいることが確認できると
「うっ嘘だろ・・・なぜ?・・・どうして?・・・ん?」
ステータスの称号欄に【期待を裏切りし者】という称号が付き詳細を確認しようとすると頭の中に説明が浮かぶ
【期待を裏切りし者】人々に期待され、その期待を裏切った者。貴方の場合は【勇者】としての絶大なる期待を裏切っている為その力を失う。特に仲間の期待を裏切ったことが大きく影響している。人々の信頼を勝ち取ることで回復可能。
「嘘だ! 嘘だ! 【ステータス】・・・こんなの違う! これは夢だ! 夢だ!」
マコトはその夜疲れ果て寝るまで【ステータス】と叫び続けた・・・
翌日からマコトは、皆にばれない様に行動を開始する・・・雑魚とは戦い大物は他の者に任せると言った様に・・・それが更に信用を無くす要因となっていることに気がつかずに・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い洞窟、ろうそくの火が風で揺らめく場所でマコトは目を覚ます。周囲を見渡すと何もない場所で通路と思しき場所には格子がはめ込まれ、まるでるぴゃ牢屋のような場所である。
次に自信を確認すると武器などを取られ服もみすぼらしいものへと変わっていた。




