15話 回想ー勇者の喪失01
マコトは肩の痛みで我に返る。そこには矢が刺さり血が流れていた。
「くっ!」
矢を肩から抜き、手を添え
「光よ! 癒しの光とならん【ヒーリング】」
すると更に風を切る音がマコトの耳に入る。咄嗟にしゃがみ避けると、マコトの頭があった位置を矢が通り過ぎる。
「くそっ! 何処からだ!」
その場で回りながらマコトは周囲を警戒する。その手には【スケルトン】から奪った【ショートソード】が左右1本づつ握られていた。
「隠れてないで出てきやがれ!」
そこへ矢が右より飛来する。その矢を左手の【ショートソード】で切り捨てると今度は背中へ向け矢が飛来する。
「くっ!」
振り向きざまに右手の【ショートソード】でガードして事なきを得ると、コロコロと何かがマコトの足元へ転がり、マコトがそれに視線を向けるとプシュッ!と音を立て煙が噴き出した。
「なっ! 卑怯な! 出てき・・・や・・・が・・・」
煙を吸い込んだマコトはその場で崩れるように倒れ込み意識を失った。
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謁見の間より出たマコト達は、それぞれ駆け足で駆けだした。騎士王国へ向けて準備をするためだ。サキは図書館へいき情報収集、ユウナは物資の買い出し、ハジメはアートスと共に兵舎へと向かった。1人ポツンと残されたマコトはその場で佇みしばらく動けなかった。
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マコトは図書館へと足を踏み入れ首を振りサキを見つけ近づく
「サキ、俺も何か手伝おうか?」
サキは本から目を離さずに
「いい、これで終わりだから必要ない。」
「そっそうか・・・」
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図書館から出たマコトは城門へと歩いて来た。そこへ買い物を終えたユウナが向こうから歩いてくる。
「ユウナ! 何か手伝うことない?」
「・・・」
ユウナは口を開くことなくマコトを一瞥してそのまま立ち去ろうとする。
「ユウナ!」
マコトはユウナの肩を掴みユウナを無理やり止めると
「・・・なして・・・」
「え? 聞こえない、もう少し大きな声で言ってくれないかい?」
「放してって言ってるんです! それに手伝ってもらうことなんかないわ。」
そう言ってマコトの手を振りほどく。
「ユウナ!」
なおも追いすがろうとするマコトにユウナが声を荒げる。
「何が勇者よ! 俺がいれば魔物なんかこわくない? 貴方は弱いじゃない! カナメ君の方がよっぽど勇者のようだわ! 私はまだすることが有るから・・・」
そう言って兵舎の方へとユウナが駆けだす。1人残されたマコトは
「くそぉぉぉぉ!!!!」
叫び声をあげその場で崩れ落ちた。




