表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユグドラシル物語~未来を見る瞳  作者: あおい聖
騎士王国編 第一部 不死の魔物
127/143

19話 勇者の涙

 マコトはビューネの言葉を受け、顔を青く曇らせ、その場で崩れ落ちた。



「何故・・・どうして俺が・・・俺は勇者だ・・・勇者なんだ・・・」



 途切れ途切れに呟くマコトの言葉にビューネ達は顔を見合わせ、マコトへと顔を向け



「私たちは、間もなくここを引き払います。貴方はどういたしますか?」



 ビューネの言葉にマコトは顔を向け口をパクつかせると再び顔を下げた。



「姫様、ここに放置して行きましょう。彼を助ける義理は我々にはありません。」



「そうだぜ姫さん。こいつは挽回のチャンスを自身で不意にしただけの間抜け、俺らの足を引っ張ることはあっても助けになんかならね~」



 ビューネは部下2人の言葉に考え込みマコトを見据え



「・・・そうですね。ここに放置するにしても寝ざめは悪いけど・・・我軍に対しても損害を与えていますからね。」



 ビューネの言葉にマコトは更に項垂れ、ビューネがマコトへと背を向け歩き出すのをその場で見送った。



・・・・・・・・・・・・・・・



 どれくらい時がたったのだろうマコトのお腹が鳴り響く



「・・・何も・・・誰か! 誰かいませんか~」



 耳を澄ませても返事は帰ってこない。



「・・・くそっ! くそぉぉぉぉ!!!!」



 マコトは力いっぱい格子を殴りつけた。すると格子は音を立て割れる。



「! 良しこれで出れる!」



 マコトは何度か格子を殴りつけ、自身が這い出るくらいの穴をあけ牢屋から出た。


 出たマコトはまず武器になりそうなものを探し、洞窟内を彷徨うと、ここに連れてこられるまで自身が身に着けていた【騎士服】と【ショートソード】が2本、そして【レザーブーツ】を発見して急いで身に着ける。


 騎士服は【スケルトン】との戦いで破損していた個所が修復され縫われており、また裸足であったにもかかわらず【レザーブーツ】が置かれていたことに涙した。



「・・・うぐっ【ショートソード】も手入れがされて居る。それにこれは・・・」



 【ショートソード】を鞘から抜き放ち確認し終えると、それらが置いてあった場所に小さな袋が確認できた。袋の入り口を開けるとそこには油紙にくるまれた干し肉と水筒が1本、それに銀貨1枚、大銅貨5枚、銅貨10枚、計1600ブロン入っていた。



・・・・・・・・・・・・・・・



 シルドナを目指す大隊規模の一団の中心にビューネは居た。



「・・・アレで再起を図ってくれればよいのですが。」



「あれでも私はやりすぎだと思いますが・・・」



 ビューネの言葉にネルビルが答える。



「この世界に呼んでしまった私たちのせめてもの慈悲です。」



 ビューネは呟き【シルドナ】の騎士王国の旗がひらめく城門を見据えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ