12話 シルドナ防衛戦04
声のした場所から黒い霧が立ち込め、館を覆う結界に触れバチバチと火花を散らす。
「ほぉ・・・結界などとは小癪な・・・」
オークの骸骨・・・そう言えるほどの太った骨が結界へと手をかざす。バチバチバチ大きくはじけ飛ぶ
「グフッ! これほどの結界・・・聖王結界にも似ている・・・まぁ良い。」
そう言って骸骨は南の空を見据え
「ふむ、勇者は向こうか・・・」
そう呟くと黒い霧のごとくその場から掻き消えた。骸骨が消えると日の光が周囲に差し込む・・・禍々しい気配は何処かえと消えていったようである。
・・・・・・・・・・・・・・・
【シルドナ】【アーマネス】間にある街道横の平原で幾つものテントが立ち並んでいた。
その中のひと際大きなテントから顔を出し外へと出たマコトは
「んん~」
背伸びをして振り返ったその時、空に浮かぶ黒い霧をその瞳に捕らえた。
「アレは何だ?・・・嫌な予感がする。警戒! 警戒しろ!」
マコトの声に騎士たちが慌てだす。マコトへと駆け寄る騎士が
「どうなされました勇者殿?」
するとマコトは指で黒い霧を指し
「アレから何か不気味な魔力を感じる。」
その言葉に騎士はマコトの指さす方へと顔を向け青ざめる。
「・・・なっ! アレは【スペクター】【スケルトン・ナイトリーダー】【デュラハン】と言ったものが発する瘴気の塊・・・! いかんっ! 直ちに迎撃態勢を敷け! 指揮個体率いる【スケルトン】が来るぞ!」
この騎士は騎士王国軍の者で幾度もこのような経験をしていたための発言であった。
この声に騎士王国軍は速やかに迎撃準備を進める。経験の無い聖王国軍は命令だからしょうがなくと言った感じでのろのろと鎧を着こむ。
そんな聖王国軍の足元から【スケルトン】がわらわらと這い出てくると混乱し逃げ惑い、騎士王国軍の動きを邪魔する。
「ええ~い、我らの邪魔をするな! 勇者殿聖王国軍を収めよ!」
騎士がマコトへと顔を向けるとマコトは顔を引きつらせ我先にと逃げ出していた。
「クッ! 仕方がない! 騎士王国軍撤退だ! 撤退!」
混乱する聖王国軍をよそに騎士王国軍は騎士の号令のもと速やかに撤退行動をとる。聖王国軍を見捨てながら・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
死の恐怖に混乱し慌てて逃げ出したマコトは【アーマネス】へと向かうのではなく北西の森がある場所へと逃げ出していた。
「くそっ! なぜだ! なんで俺が! 俺が!!!!」
慌てて逃げ出したため武器も防具もアイテムバックもテントの中である。茂みをその身体能力で駆け抜け、無数の傷をあちこちにつくっていた。




