11話 シルドナ防衛戦03
結界を張り杖をつきながらその場に佇むハジメの下に苦しむアートスが運ばれてくる。
騎士2人に肩をかり引きずられるような形で連れられてきたアートスの下へ質素な服となったアーネが駆け寄る。
「兄様! 兄様!」
「アートスは・・・息子はどうなったのですか?」
アドリナの言葉に騎士が答えた
【スケルトン・ナイト】に噛まれ毒を注入されたのではないかと。【浄化の雫】で解毒を試みたが全快するに至らなかったと。恐らく高位の【水術】か【光術】、あるいは【聖術】の使い手でなければ直せないのではないかと語られた。また【スケルトン・ナイト】を倒したことにより今のところ攻勢は止んでいると伝えられた。
「被害状況は? 本当に敵は居ないのですか?」
ハジメは騎士たちに確認すると騎士王国軍をまとめていた男が口を開く。
「恐らくだが問題ない。こちらでも確認した。しかしいつまた攻めてくるとも限らん。」
「準備が必要ということですね?」
「ああ、そうなる。」
騎士はそう返事をして辺りを見回し
「聞いての通りだ。これより警戒態勢を敷く! 動ける者は働いてもらう! 男たちは小隊を作り町を見回ってもらう! 女性たちは炊き出しなどだ!」
その言葉に皆下を向き動くことが無かった。
「皆! 聞いてほしい! 僕はこの世界【ユグドラシル】に召喚された者だ! よそ者だと言う者も居るだろう! だが君たちはここに住み生きている! 君たちは魔王軍に支配された方が良いのか? それとも僕らと共に自分たちの世界を! 命を守るために戦う! 今まさにその分岐点なんだ! 僕だって戦いは怖い! 怖いからって逃げて! 逃げて! それで君たちは何処に逃げると言うんだ!」
人々が唇を噛みしめ、握った拳がプルプルと震える。そんな中1人の筋肉質の男性が声を上げる。
「そんなことはっ! そんなことは俺だって、わかってるんだ! そうだよ! 逃げ場何かねぇ~! 戦うことにかねぇって事も分かっているんだ! けどっ! けどっ!・・・」
すると苦しそうに横たわるアートスが口を開く。
「な・・・ならば戦え・・・魔王軍だろうが・・・貴族だろうが・・・乗れの守りたいものを・・・はぁ・・・守るために戦え。それが人だろう!!!」
今まで傲慢な態度が目立っていたアートスのこの言葉にアドリナは口を手で押さえ微笑みながら涙を流す。
するとどうであろうか。今まで下を向いていた者たちが顔を上げ戦うと声を上げた!
「ブヒッ! ブフフフフ、貴様らのようなゴミが立ち上がろうと我に勝てるとでも思っているのかブフフフフ。」




