07話 闇の飛躍
「んぎゃぁぁぁ!!!」
アードルフは叫び声を上げる。更に騎士はアードルフへと槍を突き立てると、突如アードルフの身体からどす黒い靄のような煙が広がり辺り一面を覆う。
「ぐはぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁ!!」
周囲を囲んでいた騎士や馬から悲鳴が上がる。どす黒い霧が晴れた時には、アードルフの腕はくっつき、周囲の騎士たちは骨へと変わっていた・・・
「ひっ!」
アードルフは駆け出し、逃げ出した。それを追う様に骨となった騎士たちが追う・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
アードルフは逃げ回りそして森の中にある湧水が沸く場所へと来ていた。走り疲れたのか、または飢えをしのごうと湧水へと近づき声にならない悲鳴を上げる。
「っ!・・・」
アードルフは自身の顔を触ると湧水に映る骸骨も同じように顔を触る。
「アハハハハ・・・儂は人ではなくなってしまったのか? いつ?・・・まさか昨日口に含んだ・・・ぐえぇ!!!」
アードルフは昨夜のことを思い出し、あまりの気持ち悪さに吐き気がこみ上げた。しばらく時間が経つとアードルフの周りに先ほどの骸骨達が膝を付き頭を下げ佇んでいた。
「・・・立て!」
恐る恐る言葉を発すると骸骨たちは立ち上がる。
「ククククッ! そうか・・・そうか・・・儂は【スケルトン】王になったのか。グフフフフフ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
アードルフはその日より、昼間は森で活動し配下を増やし、夜になると別の場所へと移動する。今アードルフは【シルドナ】北西の森へと足を踏み入れていた。
「これで、54体・・・大隊規模か・・・これではあやつらに勝てぬ・・・もっと北へと向かうか?」
アードルフの言葉に【スケルトン・ナイト】の1体の口がカタカタと動く
「ん? 死霊の沼・・・その畔に古い砦がある?・・・なるほどそこを儂らの拠点にして戦力を広げるのじゃな? 良し案内しろ!」
その夜、北へ向け大規模な【スケルトン】の一団が目撃された。
・・・・・・・・・・・・・・・
翌日、その報告を受けたアーネストは1小隊を偵察に出す。
調査の結果、北西の森の動物が食い散らかされた後を見つけ、またその死骸がゾンビとなり彷徨っていると報告を受けた。
【シルドナ】の一室でその報告を聞いたマコト達は細長いテーブルを囲むようにして座っていた。
「・・・どう対処するか・・・」
「森は焼き尽くす・・・ってわけにはいかないよな・・・」
マコトが考え込みながら口を開きハジメが答え、隠れ里の一件を思い出し自身で否定した。




