05話 シルドナの戦い
暴行は一般兵の間だけでは収まっていなかった。輸送隊や衛生兵といった場所にいた夫人や娘たちも兵たちの慰み者となっている。そんな状態でもハジメやアーネスト、お目付け役の神官でさえ止めようとはしなかった。
ハジメやアーネストは自身へと飛び火するのを恐れ、神官はその心の内では彼らを【異端者認定】していたため助ける気すらなかったのである。
朝になり元貴族の女性が何人か自らの命を絶って発見されたり、乱暴されその勢いのまま殺された者も何名か出た。
そんな悲惨な事件も起きていたのに軍はその士気を幾ばくか高め2日目にようやく【シルドナ】へとたどり着いた。
「日中の内に蹴りをつける! 陣形をくめ! 第一中隊正面から突撃! 第二、第三中隊はその左右から敵を挟みもめ!」
アーネストの声が戦場に響き渡る。第一中隊・・・貴族を中心とした捨て石18名の中隊であり、第二、第三中隊は元騎士からなる部隊である。
第一中隊へ【シルドナ】に居るとされた【スケルトン】の大半2個中隊が襲い掛かる。
「え~と1小隊が6名・・・3小隊が1個中隊で、3個中隊が1個大隊で良かったんですよね?」
「・・・はい。それで構いませんが、そこからですか・・・」
ハジメの言葉に呆れた様に神官が答える。そんなハジメにアーネストは
「そろそろ我々も動きます。」
「わっ分かっている。本当に僕が号令を掛けるのかい?」
アーネストはハジメの言葉に頷くとハジメは杖を高々と掲げ
「だっ第四中隊本軍! とっ突撃!」
「・・・はぁ何処へですかな?」
呆れた様にハジメに神官が言葉を投げかける。神官の言葉に顔を真っ赤にしハジメは
「だっ第一軍の戦場へ突撃!」
騎馬に乗った18名の騎士たちが勢いよく駆けだした。
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死者32名・・・内元貴族12名、元騎士10名、暴行などを受けたもの10名となっていた。
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勝利を決定づけたのはハジメ達の突撃ではなく冒険者たちの部隊であった。正面からハジメ達が戦いを始めたのに対し、彼らは物陰などに隠れながら進み都市内へ潜入し隠れ時を待っていると、不利と見た指揮個体が都市を放棄し逃げ出すと、姿を現し各主要部を制圧したのだ。
故に面白くはないがハジメは頬を引きつらせながらにこやかに冒険者たちの労をねぎらった。
ハジメは自身へと宛がわれた一室で枕を杖で何度も突き刺しながら
「くそっ! くそっ! 僕をオトリにして・・・この僕をぉぉぉぉぉ!!!」
まるで獣が吠えるようであった。




