03話 国家反逆罪
名前修正:正 アートス 誤 アーネスト 2017/03/10
母親と妹が座るのを確認してアートスは語りだす。
父であるセーべ・・・本名アードルフが聖王の命に背き逃げ出したこと。
伯爵位をはく奪されたこと。ショーン伯爵家の取り潰しである。
更にアードルフは軍費の横領、兵糧の強奪・・・それらの罪により国家反逆罪が適応されていること。
それらを静かに聞いていた母親がアートスに恐る恐る聞き返す。
「・・・それでは私たちも罪に問われるのですね?」
母親の言葉に妹のアーネは声にならない悲鳴を上げる。
「それだけは、勇者様のご尽力で俺がこの後の作戦で手柄を立てるということで何とか話が付いた。」
そう告げるアートスの顔がすぐれないのを母親は見逃さなかった。
「・・・まだ続きがあるのね?」
「はい母上・・・戸籍上は母上とアーネは平民となっています。」
「そう・・・そう言う事ですか。だから私物を持って行かれたのですね。それだけで足りるかしら?・・・ああ~だから貴方が手柄を立てるにつながるのですね。」
母親の言葉にアートスは頷く
「それでは私たちは何処へ行けばよいのですか?」
母親にしがみ付いていたアーネがアートスを見据え口を開いた。
「取りあえずは俺に与えられる兵舎の一室となる。食事は3食は無理だ・・・朝夕の2食となる。」
「貴方の給料では賄えないでしょう?」
「・・・借金となる。」
アートスがそう語ると部屋の扉が勢いよく開かれ、ふくよかなドレスを纏った髪の長い女性が駆け込む。
「アドリナ! あの人が! あの人が! それに騎士たちが私の宝石やドレスを・・・」
そう言ってこの部屋も閑散としていることに気が付き、更にアートスを見つけ
「アートスさん! これはどういうことですか! なぜセウロ伯爵家である私がこのような仕打ちを受けねばならぬのですか!」
「・・・そうよねアードルフだけでなく兄もこちらへ来ているのですものね・・・」
その呟きにセウロ伯爵夫人はアドリナを見据える。アドリナ・・・つまりアートス達の母親はゆっくりとアートスから聞いた内容を話し始め、それを聞いた夫人は
「私はどうなりますの?」
夫人とアドリナの視線がアートスに集まる。
「・・・強制的に従軍との命が出ているはずですが、その場に居た騎士から説明を受けなかったのですか?」
「受けたわ! 受けたけど! そんな事出来るはずもないじゃない! アートスさん貴方の力でどうにかできないのですか?」
顔を赤らめ興奮したように声を荒げアートスへと詰め寄る・・・がアートスは首を左右に振る。




