02話 後始末
名前修正:正 アートス 誤 アーネスト 2017/03/10
街の入り口近くにある大きな建物・・・ギルド会館ではロビーを冒険者でごった返していた。聖王国で強制依頼を受けた者たちが依頼放棄を行い逃げ出したと・・・
「だから! 俺は逃げたわけじゃないんだって!」
「ダメです。規則ですので懲罰金をお支払いいただくか、払えないのであれば借金奴隷となるかの2択です。」
文句を言う冒険者に受付嬢は顔を引きつらせながら受け答えをしている。懲罰金は強制依頼の報酬の5倍・・・今回の報酬は1人白金貨2枚であったため懲罰金は白金貨10枚となっている。更にセウロとセーベが持ち逃げした兵糧を貰っていた者には横領罰則金まで付いている。いや付いていない者の方が少ないと言えた。
するとカウンターの裏から1人の老人が出て来て
「静まらんか!!!」
ホール全体に響き渡る声に冒険者を含め全ての人が口を噤む
「聖王国の強制依頼を放棄したんじゃ! 異端者認定されなかっただけでもありがたいと思わんか!!!」
怒鳴り散らすこの老人はアーマネスにある冒険者ギルドのギルドマスター、ジリオールである。彼は【爆炎鬼】の二つ名で呼ばれた元S級冒険者である。そんな彼の恫喝に冒険者たちは顔を青くする。
「それにこれより行われる【騎士王国解放戦】に参加し、活躍すれば借金を無効にできると! 貴様らも冒険者なら自身がとった行動の責任を取らぬか!!」
この言葉からも分かる通り、彼らはこれから始まる戦いに強制となり、また懲罰金を支払った者たちには指名依頼として国より依頼が出され、断れば国外追放となり、彼らは聖王国に戻れるわけはなく、事実上の強制依頼となっている。
・・・・・・・・・・・・・・・
アートスに捕らえられた者たちは魔術契約がおこなわれ一般兵に身をやつしていた。その家族も例外ではなかった戦えないからと言って許されるはずもなく輸送隊や衛生兵、器用な物は工作兵などに配置される。
そんな中アートスは聖王国大使館の一室へ足を踏み入れていた。
「母上、アーネ・・・」
ドレス姿の髪の長い綺麗な年配の女性と若い女性に向かいアートスは声を掛ける。
「兄様! これはどういうことなのですか? あっ待ちなさい! それは私の私物です!」
若い女性がアートスに声をかけ、更にその部屋から物を持ちだす兵に声を掛ける。しかし兵は立ち止まらずに部屋を後にする。それを止めようと若い女性アーネは一歩を踏み出すと、年配の女性がそれを手で制し
「お止めなさいアーネ。アートス説明していただけるかしら?」
年配の女性の言葉にアートスは頷き、座るように促す。




