01話 騎士の国
暫くカナメは出ないかと・・・
オーク・キングとの戦いから1か月の時が流れたそんなある日
騎士王国港町アーマネス
騎士王国南部にある港町で、魔王軍に占領されていない唯一の都市そこにある教会に隣接する館・・・聖王国大使館
その一室で丸々と肥えた2名の男が向かい合いワインを片手に談笑していた。壺やきらびやかな置物などが置かれたその部屋に大きな音と共に騎士たちがなだれ込む。
気持ちよさそうに飲んでいた2人の取り巻きともいえる者たちの1人が声を荒げる。
「きっ貴様ら! ここがどういう場所か分かっているのか! それにここにおわすは、セーベ伯爵にセウロ伯爵なるぞ!」
その言葉に口ひげを生やしたセーベが髭を撫でる。セウロは持っていたワインを口に含む。
すると囲んでいた騎士の間からアートスが姿を現すと、セーベが睨み付け
「何じゃ! 愚息ではないか、これはどういうことだ!」
その言葉を無視するように力強く歩み、セーベの前へと進むと徐にセーベの頬を手の甲で殴りつけ
「貴様などに愚息などと呼ばれたくはないわ!」
頬を赤くはらしたセーベが怒りにプルプルと震えていると今度はセウロが落ち着きを払いながら口を開いた
「まぁ、まぁ、大方我らが置いていったことに腹を立てておるのだろう? だが無事にここまで来れたのだ。アートス君も矛を収めたまえ。」
割って入り仲裁しようとしたセウロの頬にもアートスの手の甲が振るわれる。
「なっ何をする! これがどういうことか分かっておるのか! 儂は伯爵! 不敬罪となるのだぞ!」
「黙れ! 反逆者共が!」
アートスの怒鳴り声にセーベもセウロも一瞬怯み言葉を失う
「貴様ら全員、国家反逆罪で指名手配されている! 地位など犯罪奴隷以下の身分であろうが! 大人しく捕縛されろ!」
アートスの言葉にセーベは口をパクつかせ、我に返ったセウロが口を開く
「こっ国家反逆罪とは穏やかではない! 罪状は! どんな理由で!」
アートスはその言葉を聞き握り込んだ拳を振るわせ
「どんな理由だと! よくもそんな事が言えるな! 良いだろう貴様らの罪状は国家存亡の危機に際し、命令無視、敵前逃亡、軍費横領、兵糧横領・・・その他にも多々ある。」
その場が静まり返った。そんな中1人の冒険者が口を開いた。
「どっどういうことだ? 脱出先の確保が任務じゃなかったのか?」
「貴様は冒険者か?」
男は頷く
「貴様らにもギルドから出頭要請が出ている。強制依頼に対する逃亡であったな。騙されたのかどうか知らぬが依頼不履行となっているはずだ。」
アートスの言葉にその男も、その男の周囲に居る者たちも顔を青く曇らせた。




