18話 鉱石の迷宮
「オラオラ!」
ノボルが木で出来た自身の5倍近い大きさの【ウッドゴーレム】のパンチを掻い潜り胸へと打撃を加えた。
「バっ馬鹿! そんなに叩いちゃ・・・」
ズド~ンと大きな音を立て倒れ込んだ【ウッドゴーレム】はその瞳に輝いていた光が消え動かなくなる。
「やり~!」
喜ぶノボルの頭にウインガーの拳が落とされる
「って~何すんだよ!」
涙目になりながらノボルはウインガーを睨み付ける。
「馬鹿野郎! あれほど言ったじゃね~か! 叩きすぎれば木が痛むと!」
ウインガーの怒鳴り声にノボルの顔が青ざめる。おそおるそる振り返ると兵士が首を左右に振り
「ダメです! 胴体と右腕は使い物になりません!」
ノボルはゆっくりとウインガーの方へ顔を向けると
「そういうわけだ・・・分かったか坊主。」
ノボルは何度も首を上下に振った。
そこへミコトが笑顔で歩いてくる
「いや~流石ですな。あの身のこなし、それにあの一突き・・・」
「そんなことありませんよ。皆さんが上手く引き付けてくれたから・・・」
話しながら歩くミコトがノボルの視線に気が付き駆け寄る
「ノボル、そっちはどうなのよ。私の方は2体仕留めたわよ。」
「・・・」
返事をしないノボルに変わってウインガーが
「ほれあの通りよ。」
クイッと顎で指した場所をミコトが見て
「あちゃ~あんた聞いてなかったの? 叩いたらダメになるって。」
「いや~その・・・戦いで熱くなっちゃって・・・」
「ってことは、まだ2体倒せて無いの?」
コクリと頷いたノボルにミコトは
「は~さっさと次探すわよ!」
ミコトが駆けだそうとするとウインガーがそれを止めた
「待て、もう遅くなる今ある分を里へ届けに行くぞ。」
「了解了解っと。」
そう言いながらミコトは軽くノボルの背中を叩き
「次は気をつけなさいね?」
「・・・体目・・・」
聞き取れなかったのかミコトが聞き返した。
「ん? もう少し大きな声で。」
「・・・あれ2体目・・・」
「あちゃ~あんたね~」
「まあ、嬢ちゃんも気にするな。帰ったらカナメ様に相談しよう。」
ウインガーの言葉にミコトとノボルは頷いた。
・・・・・・・・・・・・・・・
里へと戻ったノボルたちはトントンとリズミカルな音が聞こえてくる。
「お? 戻ったか!」
作業をしていたガルドが手を止めノボルたちの方へ歩み寄る。
「何でい。暗い顔して・・・」
するとウインガーが説明すると、ガルドは笑い出し
「ガハハハハハッ! そうか、そうか気にするな! そういうこともあら~な!」
ノボルは背中をバンバンと力強く叩かれるのであった。




