第二話 ~父と子~
「さぁ、気を取り直して……始めよう」
「はい!お願いします」
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ノアは正眼に構えた剣を軽く引いて、鋭い踏み込みからレオンの懐目掛けて剣先を突き出した。
鋭い刺突だったが、レオンは左右の小さな動きで簡単によけられてしまう。
「予備動作が大きいぞ」
「くっ!」
刺突の勢いで通り過ぎたノアにレオンは上段から剣を振り下ろす。
ノアは咄嗟に剣を頭上に掲げ、攻撃を防いだ。
剣を跳ね上げながら外側から内巻きに剣を振るうノア。
それを難なく防ぐ。
「やっぱり早い…」
一度後ろに飛退いて、剣を突きの状態で構える。
「これなら…どうだ!?」
ノアは左右にステップを入れながら攻撃開始の動作を読みづらくする作戦だった。
間合いのギリギリ外側から強い踏み込みで再度刺突を試みる。
「でやぁ!」
レオンの切っ先が、ノアの剣の腹を捉え、滑るように力の方向性を変えられてしまう。
「うわっ!」
そしてレオンの剣がノアの首筋に.........
「い、一本!」
審判を務めていた剣技師範の声が響いた。
その後も10本以上手合わせを行った。
手法を変え、手数を増やし、あらゆる角度からの攻撃を試みた。
そうして父と子の時間はあっという間に過ぎていったのだった。
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「あ、ありがとうございました」
今日も1本も取れず終わった。
「ありがとうございました。…ノア、大分良くなったぞ。まだ剣の振りが大振りになりやすいから気をつけるんだぞ」
父さんの忠告はもっともだ。決めようと考えると大きく体が動いてしまう。
でも………
僕は心が見える。
エリシア母さんも色が見えるらしいけど、僕は考えている事すら見えるのに、父さんは剣術指南の時、急に心が読めなくなる。
「アレが無我の境地……かな……やっぱり父さんは凄いや」
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『情けない奴め』
「エヴァン!?な、なんだよ」
『息子相手に歴代勇者の力に頼るとはな…』
「い、いや、ここは父の威厳が必要な所なんだよ!」
『鍛錬不足なだけだろう』
「うぐっ!……」
『少しは息子を見習え。息子が鍛錬をするなら、それに負けぬほど鍛錬することが背中を見せると言うことだ』
「だってよ、アイツマジ強いんだよ!まだ12歳だぞ?ゼノスと戦った時の俺より強いって反則だろ?」
『……鍛錬不足だな……もう30年くらい付き合ってやろうか?』
「オッサンと30年二人っきりは勘弁だな」
『フッ…ぬかせ』




