第三十八話「平和」
山の頂上に着くとリンドは氷漬けにされた白いドラゴンを殴っていた。
昔の恨みを殴っては殴ってはと繰り返し続ける。
それを行うことでリンドは気分が爽快になっていた。
「ふんっ、あのドラゴンも氷漬けにされたんじゃ手も足も出まい、俺たちに行ったことが天罰喰らったんだ、ざまあ見ろ」
「リンドにぃ」
「リンド」
ブルとグレが不安そうにリンドの行動を見ているとそこにカリマたちが到着した。
「やめるんだ!」
「やめてー」
カリマと小味が叫ぶ。
その後方に奥さんである白いドラゴンも到着する。
「またお前らか。そこで黙って見てるといい。俺が粉々にしてやる」
「お願い、やめて」
奥さんである白いドラゴンはリンドの攻撃を阻止しようと歯向かっていった。
「俺と勝負するというのか、女でも手加減しないぞ」
リンドと白いドラゴンがぶつかりそうになるその時。
突然山が地鳴りを続けて大地を震わせた。
「なんだ?小味気を付けろ」
カリマと小味は震える大地にしっかりと足を付け自分の体勢が崩れないように踏ん張った。
同じくリンド達も白いドラゴンも大地に踏ん張ったが少し体勢が崩れる。
「くっ、俺はこんなので負けないぞ」
大地が震えながらリンドは氷漬けにされた白いドラゴンに引き続き殴り付けた。
「あのバカ」
その行動を見てカリマは呆れた。
ドラゴン達が体勢を保っていると突然氷漬けにされた白いドラゴンにヒビが入った。
そのまま亀裂が入り氷漬けにされた肉体が粉々になるんだと思っていると中に動きが見えた。
突然どこからか唸り声が聞こえる。
何事かと思っていると氷漬けにされた目が赤く光った。
それを見たリンドは殴るのを止める。
「え?」
「神だ、神様が怒っている」
カリマはどこからか声が聞こえると辺りを見渡すとクラクス村の住民がそこにいた。
「危ない、ここに来てはダメだ」
「危ないのはあのドラゴンじゃ、神様を怒らせた。どうなるか知らないぞ」
先程まで赤く光ってた目は活き活きと生きてる感じになった。
そしてウオオオオとドラゴンの叫びが聞こえた。
まさしく氷漬けにされたドラゴンは生き返る寸前であった。
それを見たクラクス村の住民は怯えながら言った。
「早くあの氷漬けにされたドラゴンを鎮めないと大変なことになるぞ」
「くっ、どうにかならんのか」
カリマは叫んだ。
自分の力ではどうすることも出来ない。
何か良い解決策がないかと急いで考えていると横にいた奥さんである白いドラゴンが動いた。
「私がやります」
「やるって何を?」
「私も旦那と同様白いドラゴン。それなりの力は持ってます」
そう言うと奥さんはリンドの傍に行き体を震わせた。
「お前、何を」
リンドは驚きながら奥さんの行動を見続ける。
「貴方、私もそちらにいく時が来たようですね。貴方のお力をお貸しください、私達でこの邪悪な電磁波を鎮めましょう」
旦那にそう告げると突然奥さんは自分の足元に冷気を放った。
そして、奥さんはリンドに告げた。
「旦那を許してあげてください、本音を伝えるのが不器用な竜だったので決して悪気はなかったんだと思います」
「今更そう言われても俺は許さないぞ」
「理解されなくても構いません、いつかあなたに分かる日がきっと来ます」
そう奥さんである白いドラゴンに言われるとリンドはためらった。
そして、奥さんは口から冷気を放ち旦那のヒビが入ってた氷を凍らせると自分の体を凍らせた。
「おい、何を」
「これでいいんです、鎮めるにはこれしかありません」
奥さんである白いドラゴンは徐々に自分の冷気で自分を凍らせていった。
それを見たカリマと小味は驚いてその光景を見つめる。
クラクス村の住民も口を開きながら驚いていた。
「私の力で残りの邪悪な電磁波を鎮めます」
「おぉ、神様~」
住民が奥さんを称えると徐々に冷気は体まで回り最終的にはすっぽりと被るように氷に包まれていった。
そのおかげか山の振動は鳴り止み邪悪な邪気は薄れていってる雰囲気を出させた。
「山が静かになった」
カリマはもう既に氷漬けになった奥さんである白いドラゴンを見つめそう言った。
「な、なんだよ、俺は納得しないからな!」
半分理解半分理解してないような感じでリンドはその場から立ち去った。
それを見てたブルとグレはリンドを追いかけた。
「待って」
「リンド」
ドラゴン3兄弟がいなくなると残されたのはクラクス村の住民とカリマと小味だけになった。
「これで平和になったのか」
「でも、行方不明になった人たちは?」
小味は白いドラゴン夫婦が氷漬けになり問題はなくなったと思ったがまだ問題が残ってることを伝えた。
「あのドラゴン3兄弟め肝心な時にいなくなって」
ドラゴン3兄弟の後を追いかけようとカリマは動こうとした。
すると、氷漬けにされた白いドラゴンの裏側で何かが動く音が聞こえた。
その同時に人の声が聞こえ、それはクラクス村で行方不明になっていた住民だった。
どうやら氷漬けにされた夫婦の後ろに狭い岩のひび割れの隙間がありそこから出てきてるようであった。
「良かった、みんな無事で」
小味は安心し、ドラゴン3兄弟を追いかけようとしたカリマも納得した表情に包まれた。
「でも、どうしてあそこに?」
行方不明になってた住民がどうしてそこにいたのか。
それは全てが謎であった。
住民たちは白いドラゴンがと訴えていたがカリマはしばらく考えこう答えを出した。
「きっと電磁波の山で迷ってた人達をあのドラゴンがここは安全な場所だと伝えたかったのだろう」
カリマはそう言うと、旦那である白いドラゴンを見つめる。
「あの3兄弟にも電磁波で本当に山は危険だった、自分たちの所にいれば安全だったって言いたかったんだろ、そうだよな?」
その言葉が言い終わると旦那である白いドラゴンの目から涙が流れたように見えた。
それは理解してくれてありがとう、という感謝とあの3兄弟に理解してもらえなかった悔しさの一滴であった。
やっと終わった、ここまで頑張りました。
早く新しいカリマと小味の旅物語を書きたいと言ってましたが実はどういう物語にするか考えていません。
でもまた面白くなるように書きたいな。
出来るだけ早く書けるように頑張ってネタを探します。
それでは。




