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24.小さな虹を見上げに

金曜日、文化祭当日になっても私はベッドの温もりに埋もれたままだった。


準備も何もかも一週間近く投げ出して、当日だけ行きますなんて言えるほど神経が図太くはない。

自分の気持ちに整理をつけたご褒美ということでお休みしようと思っていた。


出かけるわけでもないのに規則正しく起きた後から、昼を過ぎるまでだらりと過ごしている。


たまに作り上げたオパールのネックレスを指で遊びながら。


そんな時、携帯が震えて通知を知らせてくれた。

差出人は莉子で、グループではない個人からのメッセージだった。

そして開こうとしたその時、石引君からも直接メッセージの通知が届いた。


…これは、私のことを話したのかな

まぁ秘密にしておく方が二人のためにならないこともあるだろうし、大人しく怒られますか。


そう思って、先に石引君のメッセージを開いた。

何となく莉子からのお怒りの方がダメージが大きそうだとかいうどうしようもない理由で。


「曽野さん休みのところごめんね。もしかしてこの間のことが原因で学校来なくなってしまったのかなって思って、だとしたら俺にも原因があるから謝りたくて。ごめんなさい」


文化祭でみんな浮かれているであろうこの時間にこんな謝罪文を送ってくるなんて、私の方こそ申し訳ないと思わざるを得ない。

すぐに携帯でメッセージを打ち、「風邪が長引いてるだけ、この間のことは関係ないよ」と返信をした。

最後に「莉子に疑われたら大変だからメッセ消しとくね」と付け加えて。


さぁ、莉子からのメッセージを見るかと深く深呼吸をしてから画面を開いた。


そこには莉子らしい、そして恐らくは石引君から何も伝えられてないであろうと思われる文章が書き綴られていた。


「有紗がいないと寂しいし楽しくない。早く元気になってね。私のドレス姿見て欲しかったな。きっとすぐ元気になるのに」


可愛いらしい文章だ。

それにベストカップルの出場がある後夜祭ではドレスを着るのが恒例になっているから、そのことを言っているのだろう。


オパールを指で転がしながら、莉子のドレス姿を見ないのは損かな…と思い始めていた。


直接話をする上では親友としていようと決めているが、晴れ舞台を見る観客としてなら、素直に好きな人として綺麗な姿を目に焼き付けられる。


そしてたぶん、気持ちに区切りをつけるためにも必要なことだと思った。


「熱は下がっているから、後夜祭にはこっそり行くね。楽しみにしてる」


後夜祭は出席自由なので参加しない生徒も多い、だから紛れてもわからないはずだ。

メッセージを送信した私は、制服がかかったハンガーとネックレスをベッドに投げ、学校に行く支度を始める。


久しぶりに着た制服は少し重たく感じるが、手作りのネックレスが丸まった体に隠れてしまうなんてもったいないと、顔を上げて学校へと向かうことができた。


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