第三話 一年A組
「お前、食事中に邪魔されてイラついたのは分かるが、その喧嘩っ早い性格を直した方がいいぞ?」
「クソ〜最後に楽しみに取っといたショートケーキを食い損ねた」
「おい!そこ私語を慎め」
教員の後ろでべちゃくちゃと喋っていた事に、また叱られてしまった。
説教が終わり教員の後に2人はA組に向かうとしていた。
「秋元先生、2人を連れてきました」
「おう、初日から問題を起こした、問題児2人か。若い奴は元気だね」
美羅は怒るどころか楽しそうにニヤニヤと笑みを浮かべていた。教室を連れて行った教師は用が済んだ事に教室を後にした。
「クラスの自己紹介は済んじまったんだ...って言っても今はクラスの半分もいないがな」
確かに周りを見渡すと23人分の席が並べてあるにも関わらず、教室の中は6人しか座っていなかった。
「他の者も、君達の様に初日から問題を起こして指導室にいる。君達より規模が大きいから今日は反省文を書かされていると思うから来ないと思うが...そういうバカは毎年1人や2人はいるが、今年は多すぎる」
23人中17人も問題を起こした、A組に対して少し不安になってしまった。人のことは言えないが...
「えー、まぁ適当に名前、好きな物、趣味とか適当に紹介してくれや」
「うす。俺は神楽沙零夜。好きな物は甘いものならなんでも。趣味は鍛錬です」
「えー、初日から遅れた事は申し訳ない。僕の名前は空条北斗。好きな物は食べ物全般で、趣味は食べ歩きかな?」
「はい拍手」
美羅の掛け声にクラス中拍手の音が響くのだった。
「時間も少し余ってるし、特別に何か質問はあるか?」
まさか質問タイムが来ると言う事に、2人は緊張する事になった。すると2人が手を挙げるのだった。
「おっ、まずは同じく問題を起こした緋村君から」
「はい!」
赤髪のサイドテールに、どことなく明るい美少女が立ち上がる。あまりにも美少女に、零夜は眩しいぐらいだった。まさか、23人中18人も問題を起こしていた様だった。
「えっと、白髪君に質問です」
「ん?俺?えっと、君は?」
女性だった事にまさか指名されるとは思わなかった。
俺の顔は中々悪くないとは自負しているが、モテるのは俺の隣にいる北斗の方が多い。
「あたしは緋村 凛。素手を見る限り剣士だよね?どこの流派なの?」
へぇ〜最初に見る所は素手なのか。この子、なかなかの剣バカだな。
「俺は一応、五大流派は中ノ段までは極めている」
「え?全てを?」
この世界は天下五大流派と呼ばれる剣術が主流になっている。
全世界で最も多くの人が学んでいる流派、鬼丸流。特徴は攻撃と素早さ、そして防御力を極めたバランス型で応用を得意とする流派。
三日月流。半円を描く様に斬ると言う技を得意として、型と型を繋げて続ける事を放つ事を得意とする流派。
光世琉。守りを特に重視し、相手の攻撃を受け流してから反撃するのも得意とする流派。
童子琉。体術と合わせた流派で、特殊な呼吸法で攻撃力だけを極めた一撃必殺を得意とする流派。
数珠丸流。特に決まった型は存在しないが、スピードを極めている流派。この流派を極めた達人の太刀筋は見えないと言われている。
そして、剣術の各流派のなかで序列が定められている。初段、下ノ段、中ノ段、上ノ段、特ノ段、極ノ段の6つの序列となっている。
「ほ、本当なの?その歳で...」
零夜が五つの流派を上ノ段までは鍛えられていると聞いて、質問した凛に加えてクラス中ざわめき始める。
「凄い...やはり上には上がいるんだね。天才だよ」
「大袈裟な。それに俺はこれ以上成長見込みはないよ。馬鹿みたいに多くの事を習いすぎたからね。これ以上強くなれないからね。いわゆる器用貧乏って奴だよ」
『これ以上お前が剣術を極められるのは難しいぞ。お前は多くの事を習いすぎた。最初からお前にあった流派習うべきだった。お前の中にある剣心は五つの流派がごちゃ混ぜになり成長を妨げている。これ以上剣を極めるのを諦めろ』
零夜は剣の師範に言われたセリフを思い出すのだった。
質問が終わり凛は満足そうに椅子に座るのだった。
「んじゃ、新入生代表の一条さんに聞いてみようかな」
一条?...まさか、あの五大名家の一条か?それにしてもまた偉く可愛い子やな。
黒髪ロングのハーフアップ、そして毛先は赤みかがっていて、瞳が黒い美少女だった。
「私は一条風華です。神楽沙さんに一つ質問です」
「ん?また俺か?」
「モテモテだね。零夜」
隣にでニヤニヤと笑う北斗を無視して、零夜は風華を見るのだった。
「いえ、質問ってよりお願いです」
「お願い?」
「はい。私とチームを組みませんか?」




