第99話 お風呂デビューも
食事デビューもだけど、お風呂もせっかくだからデビューさせてあげようかなって思ったの。
個体としては女の子みたいなものだし、いっしょに入っても問題ないはず。本当はシャンプーとかも経験させてあげたかったが、相変わらず代替品がクルリの塩しか見つかっていないから……痛くない加減でごしごしと洗ってあげた。
食事がきっかけで、私にも少し懐いてくれたのか大人しく洗わせてくれたのよね?
『マリン、マリン。これなあに?』
湯舟を見つけて、ちょっと上機嫌なのも可愛いわ~。レシアムのようなふわもこもいいんだけど、ぷにぷにぷるぷるも可愛いのよね? 可愛いものは、本当に癒されるんだもの。
「それはお風呂。このあと、いっしょに入りましょう?」
『お水?に入るの?』
「さっきかけてあげた、あったかい水ね。ちょっとだけ待っててくれる?」
『うん』
雑にはしないけど、いつもより手早く髪と身体を洗って……髪もザクロさんの布から作ったシュシュのようなものを使ってまとめたら、チロルちゃんを抱っこしてゆっくりと湯舟に入った。沈まないように、そっと、って感じにね。
スライムは浮くかどうかわからなかったけど、どうやら浮く性質はあるらしい。
「あったかい?」
『うん。ぽかぽかする?』
「熱かったら言ってね? 温度は調節するから」
『大丈夫』
「そう?」
誰かとお風呂に入るなんて、久しぶり。
お城でも、お母様とはお風呂は別々だったから……下手すると、前世以来?
前世の家族とも、最後は温水プールくらいだったから本当に久しぶりなのかもしれない。特に真っ裸でなんて、親とも温泉とかで入ったのか記憶があやふやなんだもの。
『お姉ちゃんは大きいから、ここには入れないね?』
「……そうね」
チロルちゃんはザクロさんを本当に『お姉ちゃん』と思っているから、男だというのを知らないのかわかっていないのか。
魔物同士には些細な問題かもしれないけど、ちゃんとわかってほしいかと言うと微妙。個人の問題だし、下手に突っ込んで幻滅させるのもよくないもの。しばらくは、今のままでいいのかもしれない。
とりあえず、のぼせないように気を付けてからお風呂を終え。タオルと魔法でしっかりと水気を拭ってから……チロルちゃんにも教えることにした。
お風呂あがりの、美味しいコーヒー牛乳の美味しさを!!
『! これ、おいしい~~』
「湯上りには格別でしょ?」
『甘い?っていうのかな。お風呂のあとだとおいしいの??』
「普通に飲んでもいいけど。個人的にはお風呂のあとが美味しいと思うの」
美味しいの感じ方は個人差あって当然だけど。
そこはまあ、チロルちゃんの自由だからとやかくは言わない。お風呂は気に入ってくれたようで、そのあとにザクロさんといっしょに巣に行くことになってからも自慢してたもの。
巣の距離は徒歩五分くらいだから、そんなに遠くないしまた明日からのご飯もいっしょ。
だけど、ザクロさん……エンシェントスライムだからって、チロルちゃんにも狩りのやり方を教えるのかしら? 別にいいけど、溶かす以外の方法ってあの子の場合強いのかな?? 吸収力はすごいみたいだけどね?
次回はまた明日〜




