第100話 チロル、大活躍
可愛いお仲間が出来たのよねん?
経緯はどうであれ、エンシェントスライムになっちゃった女の子。
マリンちゃんの提案で、あたしが名前をつけてあげたの。『チロルちゃん』って可愛いでしょう??
その子が、あたしと寝床を同じにしたんだけど。あたしの巣を見るなり、嬉しそうに跳ねてくれたの。
『すごい、すごい!! お姉ちゃんの巣、すごい!!』
『そーぉ?』
最近作り直したとは言え、自画自賛してもいいとは思っていたけれど。別の子に褒められて悪い気はしないわぁ! とは言え、この子本当にあたしが『お姉ちゃん』だと思い込んでいるわね?
一応、乙女心は持っているけど……あたし、性別はオスなのに。まあ、スライムも性別があるようでないかもしれないから、似た様なものね? ツッコミしないでおくのも大事よん。
『私も、ここで寝ていいの??』
『ええ、もちろん。好きなとこで寝ていいわよ?』
とは言え、か・わ・い・い~~。
ただのスライムじゃなくて、エンシェントスライムに進化したこともあってすっごく個性がはっきりしているから可愛いのよねぇ??
とりあえず、寝るときは寄り添う形でぐっすり寝て……起きたら、マリンちゃんとこで朝ご飯を食べるから運動がてらの狩りよん!!
チロルちゃんは初の戦闘になるけれど、ちゃんと見学はしてもらうの。
『……大事なことなの??』
『大事よん?? 昨日食べた、美味しいものをこれからも食べたくない?』
『! あのご飯、食べたい!!』
『じゃあ、行くわよん』
やっぱり、朝からだけどお肉が食べたいからオークを狩るに限るわねぇ? コカトリスは少しリスクがあるし、チロルちゃんをそこまで驚かせるわけにはいかないもの。あ、でも。セルシスちゃんがオークを大量に確保したって言うから……逆に、コカトリスの方がいいかしら??
気配を探りながら、チロルちゃんを乗っけて移動していたんだけど……最近、あたしが狩りする頻度が高いせいか、あんまり見つからないのよねぇ? 魔物は基本的に警戒心高いから、身を潜めたりして出てこない。
(ん~~? じゃあ、魚の方がいいのかしらん??)
朝から魚はヘルシーな気がするけど、なにも手土産持っていかずにタダ飯をもらうのはあたしが嫌なの。
『お姉ちゃん、どこ行くの??』
『湖よん。お魚を獲るわぁ』
マリンちゃんたちにはまだ言っていないけど、あたしも少しくらいは魔法とかが使えるのよん? 風と火。雷とかは無理だけど、このふたつだと風を使う方が得策ねぇ?
だけど、魚とかも警戒心高いからうろちょろ逃げるのが気に食わない!!
『……獲れないの?』
『う~~ん。マリンちゃんたちが色々獲っているから、警戒心強くなったのかも』
『……獲れればいいの?』
『チロルちゃん??』
あたしの頭の上で、なにかを始めたのか。しるしゅるとかびゅーんって音が聞こえたから、前を見てみたんだけど……なんか、出来ていたわね??
細い触手で出来た網の中に、大量の魚たち。大物から小物まで色々と。
『これで、いーい?』
『十分過ぎるわ!!』
あたしが名付けた、エンシェントスライムちゃん……いきなり、こんな高度な技法を編み出せるのん!? 酸で相手を溶かすだけじゃないってことが、これではっきりしたわ。頭がいいのね、この子は!!
次回はまた明日〜




