第93話 仲間の変化に
「えぇえ? どうしたの? こんなにたくさん」
レシアムと食料調達に行ってきたはずのセルシスが、大活躍したんだと教えてもらった成果は。
オーク十体。
攻撃しまくった感はあるけど、それをセルシスひとりで成し遂げたとは到底思えない。なにか、レシアムが手伝ったのかと聞けば、『おまじないしただけ』と誤魔化された。
『地面からおっきな針が出てきて、ざしゅって!!』
「……セルシス。疲れてない?」
「ああ。今のところ問題はない」
嘘じゃないようなので、セルシスをもう少し休憩させてから解体作業を始めた。肉、モツ、骨と仕分けて、皮は焼却処分。そこまで出来たら、それぞれのインベントリに入れて……セルシスに何か食べたいものはないかリクエストを聞くことにした。
レシアムがなにかチートを付与されたとしても、実行したのはセルシスだからそれくらい叶えてもいいでしょう?
「なにか食べたいのない?」
「いいのか?」
「もちろんよ。しばらく困らないくらいにあるんだもの」
「……焼き肉」
「りょーかい。試作のタレもあるから、それも使いましょうか?」
『ま! マリンちゃん、新しい味付けを考えていたの?』
「のんびりおしゃべりだけしてたわけじゃないのよ?」
と言っても、醤油とはちみつ。塩胡椒の割合を調整して作ったタレなんだけど。ニンニクとかの香味野菜はないから、がつんとしたインパクトのあるタレは作れなかったのよね? でも、それはそれで甘じょっぱくて美味しいものが出来たの。
モツは今回、塩胡椒で我慢。一部はタレに漬け込んでおくから、それはまた後日お披露目予定。
「オーク肉、フーリス、コカトリスで焼き肉パーティーよ!!」
『『わ~い』』
「こんな豪勢でいいのか?」
「あら。功労者がいるもの。それくらいお安いご用よ?」
倒し方はともかくとして、いきなりの急成長が気にはなるけど。
外見は青年でも、中身が十二歳の子どもが難なく倒せたんだもの。私もちょっと負けられないと思うくらい、軽くジェラってはきた。
(でもそうね? 私とセルシスは【宝石族】だから、そこを活かした魔法を訓練していけばいいのかも)
日常の生活用品を整えていくだけじゃなく、自衛もきちんと出来るようにならなくちゃいけない。ザクロさんのような、Aランクの魔物が跋扈しているくらいのお山なんだもの。
のんびりスローライフ出来るくらいの力を身につけるのには、日々の鍛錬みたいなのも欠かしちゃいけないってことね?
午後の探索については、交代だから私もなにか頑張ろうかしら?
水系が得意だから……湖で、前にセルシスが雷系のショック狩猟したけど。私の場合は、コントロールして投網に近い手法で釣り上げるとか。考えたら結構面白そう!! 肉もいいけど、魚も定期的に食べたくなるからレシアムにお願いしてついてきてもらおうっと!!
とりあえず、焼き肉の方はタレが完売手前になるまで食べ続け……セルシスにお留守番してもらう間に仕込みの方法を教えたから、作ってもらうことにした。
次回はまた明日〜




