第91話 乙女の象徴を維持するため
『んま! マリンちゃんの素敵ときめきな髪を切るですって!? そんなの絶対ダメダメ!!』
ザクロさんにシャンプーのことを話したら、髪のことについても相談に乗ってもらったんだけど……やっぱり、ボブショートとかにするのは大反対された。別にまた伸びるだろうし、その方が楽なんだけどな??
「乾かすのは魔法使うから苦じゃないけど。塩だけだとちょっとしかさっぱりしないのよね?」
『それで、別の方法? ん~~。あたしとかは水浴びとかで済むからいいけど、人型は違うのねぇ?』
「そうなの!!」
クルリの塩でごしごしすることは出来るけど、シルバーブロンドのこの髪の艶を維持するのには……やっぱり、シャンプーがある方がいいと思うのよね? わしゃわしゃ、ってして、艶々~になるあの泡立ちとか。お城とかだと一応、メイドとかに洗ってもらってたんだけど。さすがにくすねる隙がなかったから、今の生活では手持ちがない。
かと言って、これからずっとここで生活するとは限らないから。もうちょっと、ちゃんと手入れしたい。でもそこは、浄化の魔法で我慢するしかないのかしら?
『泡……泡、ねぇ?』
おっとぉ? もしや、ザクロさんになんか心当たりでもあるのか!! なにかを必死煮思い出そうとしている。頑張って、ザクロさん!!
「なにか心当たりがあるの??」
『ん~。ちょっと違うかも。好物の沼カエルとかの卵に泡がついてたりとかだし?』
「それは絶対違うからやめてください」
残念無念、全然違う内容だったから結局諦めるしかないのか。
『それにしても。成長したからって、髪色変わるわけじゃないのねぇ?』
ザクロさんは私が司る宝石のことについては伝えてあるから、『ラピスラズリ』なのに髪の毛の色が銀髪なのは少し驚いているみたいなの。たしかに、私も成長したら変化すると思っていたのが、未だにシルバーブロンドのままなのよね??
「なんでかしら? まだ成長するとは言ってもいつになるかわかんないし??」
『その姿も可愛らしいけれど。人間にしても子どもだものね? いくつくらいなのかしら?』
「多分だけど、十四くらい?」
『あんら、あたしより年上??」
「てっきり、セルシスと同じくらいになるかと思っていたけど」
そのセルシスは、今レシアムといっしょに食材調達に出かけている。私はちょっと頑張りすぎだからとザクロさんが来てからおしゃべりしているの。たしかに、探査とかで魔力消費は結構使ってても……その分、底上げは出来ていると思うのに? 皆して心配性なんだから~。
『セルシスちゃんと同じくらいねぇ? とっても可愛くて美人さんの予感するわぁ~』
「ありがと。まあ、外見こんな感じだから不細工にはならないだろうけど」
『あら? 転生者って、あんまり自慢したがらないのね?』
「そうじゃないけど。両親ともに美形だから、自覚はあるだけよ」
『なるほど。曲がりなりにも【宝石族】だものね?』
「うん」
追っ手も引き返して、そろそろひと月以上経つけれど。
私とセルシスの扱い……多分だけど、死亡とかでしょうね? ザクロさんが追い返したからって、私の計画していた誘拐騒ぎとかがバレていなかったら……今頃お葬式でもしているのかしら??
私たちはちゃんと生きているけど、帰るつもりは毛頭ないもの。堅苦しい生活は、やっぱりごめんだからね。
次回はまた明日〜




