第81話 野菜は花から
「ん~~?」
その日も探査をしながら、ほかの食料を収穫していたんだけど。
ひとつだけ、不思議な反応があったの。植物は植物だけど、フーリスの葉とかは違う反応。
セルシスたちと向かえば、そこにあったのは開いていない花のつぼみ。セルシスの拳よりも少し大きいくらいだったわ。
「これなにかしら??」
食用花だとしても、不思議な形ね? きれいなつぼみだけど、白菜とかキャベツ扱いかしら??
『リーリルのつぼみだね。たしかに、食べられる植物だよ』
「おお! これ、ツル以外食べられるの??」
『たしか、そうだね』
「アルマリン。なにかアイデアが浮かんだのか?」
「ちょっとね?」
収穫するのに、根本の部分に切り込みを入れてみると……ほんのり、つーんとする匂いと刺激を感じた。とくれば、これはあれかもしれない。
いくつか収穫して、帰宅してから調理開始!!
まずは、外側のガクを少し剥がすと……出てきたのは、白っぽいころんとしたフォルムの果実みたいなのが出てきたわ。
『マリン。なに作るの??』
「これが間違っていなければ……」
包丁で半分にカットすると、年輪のようにうずまいた層が。カットしたことでさらに強い刺激が来たけど、セルシスは目を擦りそうだったから顔を洗いに行かせたわ。
「……なんだ。今のは」
「これね? 多分、玉ねぎに近い野菜なのかも」
「たまねぎ?」
「用途は多種多様。生でも火を通しても美味しい野菜。特徴的な辛み成分があるんだけど、毒じゃないから」
輪切りにカットして、バターを使って焼いたら……仕上げに醤油をたらり。
この匂いに、ザクロさんも嗅ぎつけてきたのか、今日のお土産らしいコカトリスを持って来てくれたのよね?
『なぁに? とってもいい匂い~』
「リーリルのつぼみっていうのをバター醤油で焼いただけよ?」
『つぼみってことは、花の??』
「ちょうど食べるところだったし、いる?」
『もちろんよ!』
適度に焦げ目と色がついた玉ねぎもどきのつぼみちゃん。
どんな味がするのか、まず私が食べてみたんだけど。
サクッ、とした食感に甘さの汁があふれてきて……そこに、バター醤油のまろやかな味わいが加わると!! これだけで、立派な食事になるわ!!
「皆、食べてみて!!」
私の反応を見て、食べたそうにしている皆にお預けなんて酷だもの。
それぞれぱくっと食べてくれれば……セルシスとかも気に入ったのか、口角がいつもより緩んでいる気がする。ザクロさんたちもしゃくしゃく音を立てながら、『美味しい~~』と声をそろえていた。
『ま、素敵!! ただのつぼみがこんなにも甘いだなんて!!』
『果実とは違うね? バターとショーユの味わいが生きている気がする~』
「ザクロさんの持ってきた、コカトリスと合わせて……焼き鳥風も出来るかもしれないわね?」
『やきとり??』
「ちゃんとした食事よ? 味付けは塩胡椒でもいいけど。ティーテウの果汁もあるから、甘辛いタレも出来なくないわ」
「手伝おう」
「ええ。皆でやりましょう!」
ということで、ひとつ食材が加わっただけなのに、ぐっとそれらしい食事が出来るようになった。
まだまだ野菜探しは続くわよ!!
次回はまた明日〜




