第72話 大漁だったんで、タルタルソースのムニエルに
「そぉれっ!」
「こっちもだ」
水遊びしながらも、ご飯の調達は忘れない。
最初は渋っていたセルシスも、なんだかんだで水温が気持ちよかったのか、思い思いに遊んでくれていた。
泳ぎとかはまあ全然だったけど、そこは私のを見様見真似して。素潜りとか教えたら、あっという間にマスターしちゃったんだもの。器用だから、素質があったのかもね。
んで、今はお互いに魚取りにいそしんでいた。
岸辺ではザクロさんとレシアムが日光浴してたから、たっぷり食べることも想定して大量に。
実際、大漁だったから、下処理をするのには風邪引くから水着からちゃんと着替えたけど。髪は温風を模倣して乾かしてみました。
「セルシスは塩焼きの準備。私はその間にムニエル作るわ」
「任された」
活〆の方法も教えたから、そこは任せておいて。
私は大きめの鱒っぽい魚を三枚おろしにして、ムニエルを作ろうと思う。
バターはないけど。油の樹液はあるし、タルタルソースも作れなくない。
リザーレをしっかり茹でて、刻む。
マヨネーズもどき、塩胡椒だけのシンプルなタルタルソースではあるけど。
臭み抜きをした切り身に、これが合わないわけないと思うの。
鉄板で焼く前に、余分な水分を拭いて、小麦粉をはたきおとす。それから、火が通るまでしっかりと焼けば……ムニエルは完成。
「たっぷりのタルタルソースをかけて~」
付け合わせのパンは今朝大量に焼いたから、これに挟んでも美味しいと思うのよね?
準備が出来たら、レジャーシートにしたザクロさんお手製の布の上に運んでいく。
『んま。今日のも美味しそうねぇ?』
「パンと合うと思うよ~」
『期待大だわ!!』
陽光に反射して、きらきら輝いているようにも見えるタルタルソース。
味見もしたし、美味しくないわけがない。それぞれ食べ始めるのを見てから、私もお箸を使ってひと口頬張った。
(んん~~!! これよこれ!!)
適度な臭みが抜けて、白身魚の旨味が十分に残っている。そこに、塩胡椒で味付けしたことで物足りなさを感じない。さらに、とどめのタルタルソースのおかげでこってり感が追加されているから……ギルティな味付けになって、箸が止まらないわ!! 切り身の少しをパンに挟んで食べてみれば、サンドイッチ風になってなお美味し!!
『マリン。その食べ方も美味しいの?』
レシアムはパンを食べていなかったから、私の食べ方が気になったみたい。
「ええ。サンドイッチ風になって美味しいわ。試してみて」
「……アルマリンが言うのなら」
『絶対に美味しいに決まっているわぁ!!』
ほかのふたりも気にしていたのか、それぞれ試してみると『美味い!』と声を上げてくれて。
水遊びも楽しかったけど、今日のキャンプ飯もそれなりに成功出来たことに、拳を握るくらい嬉しかったわ。
まだまだ魚はインベントリにいれてあるし……バターに似た調味料を探して、バター醤油のムニエルを作るのも有りね?
ただ、乳製品っぽいのって、醤油同様に山の中で見つかるのかしら??
次回はまた明日〜




