第68話 魚出汁にて再挑戦
中華麺になった、初麺料理はそれなりにおいしかったけど。
うどんの口になっていたから、もう一度挑戦するのに湖でまずは魚を確保。
三枚おろしにして、骨の部分をクルリの塩をたっぷりまぶして乾燥させて。
また翌日に様子見をしたら、日の当たるとこに置いてたからちゃんとした『干物』になっていた。
匂いはまあまあするけど。これを水洗いして、出汁を取ってみる。
「ん~? まあ、かつお節じゃないから違うのはわかるけど」
干物特有の香りに、濃い魚出汁の味わいだった。淡水魚の出汁ってこんなだったかしら?と思うところはあるが、ちゃんと出来たからこれはこれで良し。
めんつゆの材料に、酒とかみりんはいるけど……今回は、この出汁に醤油もどきだけで挑戦してみようと思う。
それには、添え物として天かすを用意よ! ネギとかの野菜はないし、天ぷらをしてみてもいいかもだけど……魚出汁に魚の天ぷらはちょっと、ねぇ?
とにかく、油で細かい天かすを作ってはバッドに上げていく作業もやったわ。
「……アルマリン。この滓はなんだ?」
「一応、うどんの具材」
「? サクサクしているようには見えるが、わざわざ作るのか?」
「野菜見つけてないから、天ぷら出来ないもの」
果実はあれど、アボカド天みたいなああいうのも合いそうにないし?
フーリスの葉は味がお肉だからパス。リザーレは大きな卵だけど、卵の天ぷらは前世でも挑戦したことないから無理。
なので、間をとってこの天かすづくりに勤しむのだ。作れないものを無理に作るのはしたくない。今のうどん挑戦している時点で矛盾してるようなとこはあるけど。
「……野菜か。たしかに、肉や揚げ物が多いから少し食べたくもなるが」
「ね? レシアムにあとで聞いて、いっしょに探そうよ」
「協力する」
「うん」
少しぎくしゃくしていたセルシスの態度……元通りになったけど、私の外見に慣れてくれたのかしら?
そりゃ、お父様が決めた婚約者候補ではあったが、今は今。セルシスの意志で城を抜け出し、私と同じようにスローライフを堪能している。
それで今は満足……だと思っておきたい。たしかに、セルシスの外見はタイプだし、もしかしたら……くらいには思っているけど。
年下扱いよりは同級生くらいの接し方が楽だし、今の関係を壊したくないとも思っている。
なので、今は恋愛事については考えたくない。レシアムやザクロさんもいるから、わいわいな生活しているのが楽しいもの。
「湯が沸いたぞ」
「じゃあ、昨日のように麺を入れて茹でてみて?」
だから、調理技術とかも惜しみなく教えてあげる。
わからないことをわからないままにしておくのはよくないし、セルシスの探求心についても無駄にしたくないもの。
菜箸の扱いには慣れてはきているけど。うどんのつるんとした感触にはまだまだ難しいから……引き上げは私が交代したわ。こればっかりは練習の必要有りね?
次回はまた明日〜




