第63話 お昼はカツサンド
「トドメよ!!」
成長したことで、魔法の技術がどれだけ上がったかもたしかめるために。
ザクロさんの案内で、オークの巣近くまで連れてってもらったの。
ほかの理由としては、今日の食材確保ね? 一番食べるのは、案内してくれたザクロさんだけど。
『あんらぁ。遠慮のない氷の杭ねぇ?』
「へへーん」
たしかに、容赦のない攻撃魔法を披露したわ。水系統が強いからって、オークの心臓に氷の杭ぐさーっと、打ち付けたの。貫通したら、血がだばだば出るのはグロイけど……まあ、仕方ないわよね?
けど、今日お昼ご飯にと決めているのはお肉たっぷりの『あれ』をする予定でいるから、たくさん必要なの!!
「アルマリン。言われたとおりに、してみたんだが」
『こんなにもパンを砕いちゃうの~?』
セルシスとレシアムにはお留守番してもらってて、必要な材料を作ってもらっていたの。
作ったパンの一部を粉々にしちゃう……つまり、『パン粉』をつくってもらっていたのよね?
これで、オークのお肉を『とんかつ』にしちゃうの!!
「ええ、ありがとう。さっそく試作からしてみるわ」
オーク肉をとんかつのようにスライスし。筋切りをしたら、塩胡椒と小麦粉。溶き卵にパン粉。
そこまで出来たら、熱した油の中にイン!! まずは低温でじっくり揚げていくのがコツだったはず。
「焼くのではなく、揚げるのか」
「焼いても美味しいのはわかっているけど、今日はこの食べ方ね?」
だいたいきつね色になったら、一度引き上げて余熱で火を通す。少し触れるくらいにまで冷めたら、もう少し高温に熱した油の中に入れてカリッとするまで揚げる。
(このまま食べても美味しいだろうけど……ソースがないから、クルリの塩ね?)
塩をぱらぱら振りかけたあと、包丁でザクザクにカットしてみれば……生焼けなんてしていない上質な脂身とお肉が顔を出してきた。
『いい匂い~~』
「はい。まずはこれで試食~」
外にいるザクロさんにもひとつ渡してから……食べてみれば。
塩味だけでも、十分に美味しいとんかつの完成だったわ!!
『あんら。ドーナツとは違うのはそうだけどぉ。ザクザクした表面が面白くて美味しいわねぇ?』
「うんうん!! こういうの作りたかったの!! 醤油とかソースがないのが残念だけど……マヨネーズだけじゃ、ね?」
『マリンちゃん。それ、どんな味なのん??』
「ん~? 醤油は塩気が強いけど、深い味わい。ソースは酸っぱさもあるけど、色んな調味料を使っているから複雑な味だわ」
『ん~~? わかんないわねぇ?』
「そっか~」
だけど、これはこれで美味しく出来たんだから!! パンに挟んで『カツサンド』にしたのよね?
野菜とかはまだ未確認状態だから、葉物とかはなくても……軽く、マヨネーズをパンの断面に塗ったら!!?
「美味い……!?」
『美味しい~~!!』
『リッチな味よん!!』
と、皆喜んでくれたわ。
私もひと口かじったら、夢中になって食べ進めるくらい自画自賛したかった。
「おいっし!? 塩だけだけど、さっぱりしててパンと合う!!」
サクサクのパン粉のお陰もあるでしょうけど。パンの表面に塗ったマヨネーズもどきもいい仕事してるわ~。フーリスの葉でも、この食べ方したら美味しいはず。
夜はそれをしてみてもいいかもしれないわ。まだまだストックはインベントリにあるからね?
とりあえず、また調理法がひとつ増えたので、揚げ物はしばらく続きそうになったの。
次回はまた明日〜




