第51話 偽りなく打ち明けて
ザクロさんに打ち明けることにした。嘘偽りなく。
「たしかに。私は【宝石族】の第一王女よ。けど、前世の記憶もあるから……こんな風に、いろんなことが出来るの」
異世界転生。
普通なら、あり得ない事実。
だけど、私自身もあり得ない存在だから……アウトドア以外になんでも出来るように見えるかもしれない。レシアムがいなきゃ、多分追っ手に追い込まれて城に戻されてた可能性だってあったんだもの。
さてさて、ザクロさんの反応は?
『あんら、第一王女?? そんなお姫様がこんな山の中で生活してんの??』
「贅沢生活にうんざりしてたの。見た目も年齢も五歳だけど、前世ではそれなりに大人の年齢だったから精神年齢は高めよ?」
『だから、不釣り合いがあっても外見の成長がなかったのねん? そっちの坊っちゃんみたいに』
「……俺よりも、はるかに大人だな」
「あら、ありがと」
褒められて悪い気はしないけど、まだ私は成長するような段階ではないみたい。城を出ても兆しみたいなものはないし、なんでだろう?って思っているけど……そこはまあ、あんまり不便してないからいいとして。
『外が良くて飛び出しちゃうなんて。……マリンちゃんの行動力はすんごいわね?』
サンドイッチをまたひとつ頬張りながらも、ザクロさんは私のことを感心していたわ。そんな大したことしてないのに?
「食事管理させられるし、その食事も美味しいと思えるものじゃなかったの。ほかのこともあれこれ制限があったから……今の生活の方がすっごく充実しているわ」
『それはそうねん? 全部自分たちで管理しなきゃだもの』
『マリンは手際がいいよ~。こんな美味しいものを作れるし』
「……拠点の技術も、だな」
『ぼっ……セルシスちゃんは、なんでいっしょにいるのん?』
「俺もしがらみから抜け出したかった。……自分の意思でここにいる」
『そうなのん』
会話しながらの食事はあっという間に終わっちゃって。サンドイッチもすっからかんになったわ。
ザクロさんへのお礼も兼ねてだから、ザクロさんにたくさん食べてもらったけど……あの巨体だから、足りてないのかもしれない。でも、それ以上催促してくることはなかった。
「あ~~。のんびり最高~~」
食後のルルクのコーヒーもどきを飲んでひと息ついたら、レジャーシートの布の上でごろんとなった。はしたないように見えるけど、セルシスに見られても別に困ることなんてないし?
『そうねん。ごちそうさまだわ! たくさん食べさせてくれてありがとねん?』
「いいの。布のお礼も兼ねてだし~」
『あんなにも美味しいご飯が食べれるのなら、あーたたちの生活の手助けが出来て良かったわぁ』
『ザクロがきっかけだったから、マリンたちも頑張ろうって思えたんだろうね?』
「そうね! パンづくりはやり甲斐があったわ!」
「はじめてのこと尽くしだったが……悪くなかった」
「ね?」
お城の皆には悪いけど、私の決意は変わらない。
いっしょにいてくれる仲間がいるのも心強いし、これからもスローライフは続けていくわよ!!
次回はまた明日〜




