第45話 面白い子たち
(ふふふ……うふふぅ~~)
今でも思い出し笑いしてしまうわん?
なんて、なんて面白い子たちだったのかしらん。
魔物のあたしを怖がることなんてなくて、むしろ対等な関係で接しようとしてくれていた。
もちろん、精霊殿がお付きだったこともあるけど……あのお嬢さんはすっごく可愛かったわぁん。
男の子の方もダンディだったけど、あたしの好みとはちょいと違うのよねん?
来てくれたのが、討伐目的じゃなくて巣の素材を譲ってもらえないかって頼みだったのん。
言っちゃぁなんだけど、あたしの吐く糸で作ったものよん?
それを、まあ……『服』にするんですって!!
びっくり仰天だったわぁ。それに、目が合ってから感じていた気配の正体が『魔物を食べた』ってとこも。
(【宝石族】なのに、伝承を覆す出来事をしたのよん? 精霊殿がいても、加護とか関係なしに口にするだなんて……)
不浄を良かれと思わない、精霊の血筋を引くちょっとやんちゃな一族。
って、あたしは思っているんだけど? 実際に目にしたら、別の意味でやんちゃな子たちなのよねん??
見た目は一族の名の通りに【宝石の加護】を持つってんのに、普通の人間たちのように生活しているんだもの。
(マリンちゃんは、特に器用ねぇ? あたしの巣の素材から、あんなにも素敵な服を作ってくれたんだもの!)
ふりふりで可愛い可愛いそれは、見たことがないのにあたしの乙女心をくすぐって仕方がなかったわん!!
それに、これからも仲良くしたいってことで『名前』ももらえちゃったのよん?
『ザクロ』って、きれいな名前。
乙女のあたしに、ぴったりのそれをくれたんだから。もちろん、これからも仲良くしたいわ!!
『んふふ~~。せっかくだから、もっと大きな布っぽいのも作っておこうかしらん?』
食事は終わったし、あの子たちが来るまで暇っちゃ暇だものん?
次はいつ来るかわかんないけど、近くに拠点があるらしいからすぐに来れるみたい。
だったら、『お友だち』として、なにか出来ないかを考えるくらい……別に困ったことにはならないでしょう??
次はどんな服にしてくれるのか、とってもとっても気になるんだもの!!
るんたった、と歌いながらあたしは吐く糸を上下左右に振りまき……織って布にしていく。
この工程を考えたのも、多分サンザスではあたしだけのはずだわ。普通のサンザスたちは、糸を強化して身体が落ちないようにするだけなんだものん?
暇潰しが別のお友だちの役に立つのなら……楽しみが出来たんだから、ラッキーでしかない。
マリンちゃんたち、今頃ご飯でも食べているのかしら?? また、オークとか別の魔物を狩って……調理しているのん? 毎回食べるにしては、まだ気配が薄いから山の幸とかで潤しているのかしら??
次回はまた明日〜




