第43話 お披露目ついでに
サンザスのオネェさんのとこに再び行くと、浮かんで巣に近づけば巨体を丸めるようにしてすよすよと寝ていたわ。
お昼寝中だったかしら?
『おーい、サンザス~? 来たよ~~』
レシアムが声をかけてあげれば、オネェさんはすぐにもそっと身体を動かしてキラキラ光る眼をきょろきょろと動かす。私たちを見つければ、『まっ!』と声を上げたわ。
『素敵な仕上がりじゃなぁい! お嬢ちゃんが、本当につくってくれたのん?』
「ええ。素敵な素材、ありがとうございます」
『いいのよん。また欲しいなら、いつでも言ってちょうだいな~』
「しばらくは大丈夫かな? ……あの、お姉さんが言ってた変な人たち。私たちが関係しているらしいの。迷惑かけてごめんなさい」
直接的な被害は受けていなかったようでも、ここはちゃんと謝罪したかった。
私たちの都合で、このオネェさんは巣を移動させたのかもしれないからね。
けど、あんまり気にしてないのか。オネェさんは『ううん』と身体を左右に振った。
『お嬢ちゃんたちのような、面白い子たちに出会えたからノープロブレムよん? けど、色はどうつけたの? 黒とか灰にはあたしじゃ染めれないし』
「そこは、炭を魔法でうまく使ったの」
『あら、面白い』
わいきゃいするのも、なんだか本当に女子としゃべっているようで飽きないわ。
とりあえず、お披露目と謝罪は出来たから満足ね。魔物でも知り合いが出来たっていうのは不思議な気分だけど。
「そう言えば、オネェさんって名前あるの??」
『あたし?? ないわよ??』
精霊のレシアムのように固定名があるわけじゃないらしいから、私たちのような【宝石族】みたいな人外でもないし……名前って、特定のものはあんまり興味ない感じだ。
だけど、いつまでも『お姉さん』とか『サンザス』とかは呼びにくいなあ。
せっかく、ここまで仲良くなったんだし?
『テイムしいなければいいんだけど。友人関係としての名づけは許されているはずだよ?』
と、ここで、レシアム先生がまたユニークな情報を提供してくれた!
「そんな方法あるんだ?」
「俺も講義では聞いたことがない」
『種族間の言い伝えぽいところもあるけど。ぼくみたいな精霊とかだと情報は保管しているんだ』
『あら、素敵。お嬢ちゃんたちとはお友だちのつもりでいたけど、そんな特典は大歓迎よん?』
「ん~ん~?? ここは、私がつけた方がいいの??」
『代表者としてはいいんじゃない?』
なので、少しだけ頭をひねるようにして、いくつか案を浮かべてみた。
友人としての呼び名とはいえ、ちゃんとした名前をつけることになるし。
いい加減に考えるのは失礼だから、身体の特徴も改めて見ながら考えてみたんだけど……。
「……ザクロ、さんは?」
『『「ザクロ??」』』
「赤い眼がきれいだし。私の知っている、甘酸っぱくて美味しい果実の名前からだけど」
雑だったかしら?と言えば、オネェさんは身体をぷるぷると左右に振ったの。
『いい響きだわん!! んじゃ、あ・た・し!! 今後はザクロって名乗るわ~~。そう言えば、みんなのお名前も聞いていなかったわねん??』
「アルマリン。マリンでいいわ」
「セルシスだ……」
『ぼくはレシアム』
『みんな、お友だちよ~~ん!!』
同居人が増えたわけではないけど、ゆかいな仲間たちのくくりでザクロさんが知り合いになりましたとさ。
次回はまた明日〜




