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転生したら、【宝石族のお姫様】になってた??〜贅沢生活はごめんなので、のんびりスローライフさせてください〜  作者: 櫛田こころ


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第33話 モブキャラが高級肉に②

「……臓物を、食べる??」

「ええ、そうよ。脂身が多く含まれているし、美容にもいいの」

「とても、そうは思えない……」

「ということで、作業分担!! 水魔法で徹底的に洗ってね~?」

『容赦のない作業!』

「レシアムも味を知ったら病みつき間違いなしよ?」

『けど。魔物の臓物ねぇ?』



 異世界に『モツ』の文化はない。それは、なんとなく予想していたけど……通常食でないのはたしかなこと。


 だったら、アウトドアでは少し難しいことをしてあげようじゃないの!! 魔法を扱えるから素手で触わる必要ないのに……と、セルシスの背中をちょっと強引に押して。


 私は私で、皮、骨、肉の可食部を食べやすいように解体していくの。途中途中で、水魔法を使いながら洗浄していくからか、身体が子どもでも身体強化の魔法もかけているせいで楽ちんに出来た。


 フーリスやリザーレの葉を敷物かわりにしたとこにお肉とかを置いていけば……本当に、脂身がフーリスよりもきれいな断面が食欲を掻き立ててくれる!! これは、きっといいお肉のはずよ!!



「……洗うだけ、洗ってみたが」



 セルシスの方もなんとか完了したようなので、きれいな水の玉の中にある『モツ』たちを見たけど……たしかに、猪とかとは違うきれいな臓物がぷかぷかとしていた。



「いい……いいわ! クルリの塩で臭み消ししてから、焼き肉にしましょう!!」

『マリンの前世だと。捨てる部位も食べてたの??』

「骨以外は基本何でもありね? 皮は脂肪……白いとこを好んで食べてたわ」

「では。さすがに皮や骨は焼くのか?」

「皮はいらないけど、骨は待った」

『なにするの?』

「スープの出汁にしたら、美味しいんじゃないかなって!!」



 骨髄とかのエキスを余すことなく使えば、骨も無駄にならないはず。


 実は鉄粉のアイテムの最後のひとつが『大鍋』なのよねぇ? 日本人なら、食事に汁物はかかせないから! 味噌汁が恋しいけど、この場合贅沢は言ってられない。



「……肉が、美しく見える」



 解体したあとのお肉を見て、セルシスはそれなりに感動しているのか目をキラキラとさせていた。たしかに……あの醜い外見の魔物とは思えないような脂身の美しさは、芸術品とも言えるものね?


 解体し立てもいいけど。昼御飯用に、『熟成』させるのも忘れないわよ? 科学用語は忘れたけど、下処理したあとに熟成させることで『旨味が増す』のは覚えているから。



「塩を振って、インベントリに入れたら。鍋では出汁をしっかりとって」



 灰汁を丁寧に取り除いたら、無味だろうけど味見を忘れない。塩もなにも入れてないけど、ふんわりやわらかな風味の汁物になっていたわ!! これは塩胡椒で味付けするだけでも、立派なっスープになること間違いなし。


 具材はリザーレの中身で卵スープ風にしても大丈夫そうね? 使った骨はさすがに再利用できないから、セルシスの仕事として焼却処分させた。



『骨を煮込んだだけなのに、いい匂い~』



 レシアムは調味料を取り出す係になってくれているから、キッチンの側で待機してくれている。だから、私が形状変化で菜箸にしたコテを使ってリザーレの卵液を作っている横でうっとりしていた。



「味付けがもっと増えれば、色んな食事も出来るんだけど」

『ティルンとかじゃダメなんだ?』

「あれだと飲み物扱いだから難しいわ。さて、卵液はこれくらいにして」



 セルシスが戻ってきたら、彼に器を持ってもらい。入れたら私が菜箸でかき混ぜるを繰り返していく。


 丸々リザーレ一個を使ったら、淡い黄色が可愛らしいスープの出来上がり!!



「このようなスープを見るのは、初めてだ」

「味見……うん。予想通りの味ね? とんこつじゃないけど、鶏がらとも違うわ」

「……アルマリン。身体に不調はないか?」

「ないわ。……お父様とかが気にしているかもだけど。私たちの本来の食事にしても平気そうね?」

「……俺も、味見していいか?」

「もちろん」



 おたまにしたコテを渡してあげれば、最初は覚悟を決める表情だったけど。


 ひと口、と、口に当ててみればそのまま、くいっと、飲んでくれた。美味しかったのかで、ほっぺが赤くなるのが可愛いわね!



「あたたかい汁物なんて、生まれてはじめてだが……優しい味わいだ。美味い!!」

『ぼくも欲しい~~』

「手を貸そうか?」

『ありがと~……ん! あったかくて、美味しい~~』

「ふふん! アラを使った料理をなめちゃいけないわ!!」



 伝承とかで、【宝石族】が聖なるモノしか口に出来なかったのは……多分、遺伝的に弱い生き物だったかもなのが、レシアム先生の予測。


 私やセルシスは何世代も時を経て、様々な一族との交わりを重ねた子孫だからそこの心配がない。


 あったら、フーリスの葉とかひと口で嘔吐諸々の症状が出ているはずだもの?


 お父様たちには、ほんと申し訳ないけど……アウトドア生活を満喫し始めたばかりだから、帰りません!!


 追っ手はセルシス以外来なかったけど。こっちに引き込めた形になったから、いっしょに生活します!! むしろ、性別関係なしの友だちとして交友していくのが楽しいから、ワイルドイケメンもあるけど、愛でる意味でも可愛いもの!!


 スープが完成した次は、外で焚火を準備してのバーベキューパーティーを開くことにしたわ。


 なにせ、食べ放題くらいに量があるから!!




次回はまた明日〜

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