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転生したら、【宝石族のお姫様】になってた??〜贅沢生活はごめんなので、のんびりスローライフさせてください〜  作者: 櫛田こころ


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第3話 いきなり、旅の仲間?

「魔物?」



 にしては、変に可愛い外見と鳴き声だけど??


 とりあえず、毛布を取って灯りの魔法で姿を再確認したら……ふわもこの、銀色の毛の塊が出てきた。まさか、と思っていると、くるんってその塊が動いたの。


 きれいなきれいな、深い蒼の目をこっちに向けて。



『みゅ~』



 ふわふわもこもこの毛並みが魔法の光に反射して、きらきらと輝いている。顔あたりは、犬とかでいうマルチーズとかビションフリーゼみたいに整った感じ。


 手足の先には、少し尖った黒い爪。引っかかれると痛そうだけど、よく見ると先端が少し丸っこい。


 尻尾とかは毛並みに覆われているからわかんないけど、多分ありそう?


 とにかく可愛いけど。どこから来たのかしら??



「……あなた、どこから来たの??」



 どう見ても、普通の犬とかじゃない。この世界にも犬とかの種族はいるけど……こんな配色ではなかったはず。白とか黒、あと茶がほとんどだって教師には習ったんだもの。


 それに、私と似た毛と目の色も少し怪しい。……なんか、嫌な予感がするのよね?


 しばらく、お互いをじーっと見つめ合っていたけど。根負けしたのは向こうなのか、ふわもこちゃんはもぞもぞしながら私の近くまで来て……手を差し出せば、ぺろぺろと手のひらを舐めた。ピンクのちっちゃな舌が可愛いのなんの。


 もう、これは……!!



「かーわーいーいー!! 抱っこしていーい??」

『みゅ!』



 鳴き声でなんとなく『いいよ』って言っているきがしたので、じゃあ遠慮なくと私の小さい手で抱っこしてみた。小型犬サイズだけど、しっかりと重いから。上半身とかを抱っこするのが精いっぱい。


 触り心地は綿って感じ。ふわふわでクッションの中身を抱っこしている気分になれるわ!! こんな可愛い子、いったいどこから迷い込んできたのかしら??



「んー? けど、この子。魔物というより、精霊みたいな感じね?」

『みゅ!?』



 私が仮説を立ててみると、なにかまずいことを言ってしまったのかで……ふわもこちゃんはぎくっとしたように身震いし出した。ぷるぷる震えだすから、慌ててよしよししてあげたけど。



「ごめんねぇ? 嫌なこと思い出させた??」

『……こ、わく、ない?』

「え? しゃべった??」

『あ』



 口からじゃなくて、テレパシーのように頭の中に響いたんだけど。


 たしかに、可愛い男の子のような声が聞こえてきたわ。ばっちりと。


 ふわもこちゃんの顔を覗き込むと……急に、動物というよりは『ヒト』のような表情をしているように見えた。冷や汗だーだーな感じ。



「……あなた、誰?」



 ここは、きちんと聞くしかない。


 追っ手とは違うようだけど、話せるのならちゃんと理由を知りたいんだもの。男の子だからって、幼児でも女性のデリケートな寝袋もどきに潜り込むだなんて失礼極まりないもの!!



『……ぼく、はレシアム。石の精霊』

「……宝石族?」

『じゃなくて、石そのものの意識体って言えばいいのかな?』

「え? 石本体?? ってことは」

『君が使った、ラピスラズリそのもの。あったかい風が来たから、召喚されたと思ったんだ』

「……も、申し訳、ありません?」

『いや、そこは気にしなくていいんだけど』



 つまり、つまりだけど。


 この子は、私とか宝石族にとっては……目上の存在とも言える『原石の種族』。


 石に宿る、精霊様ってこと。神様に等しい存在。


 そんな御方を、結界石に私が使った石のせいで……呼び出してしまったらしい。だから、今現在ここにいるわけ。



「……えーっと。私、レーデンブルク王家の一の姫です。アルマリン姫と申します」

『ああ。今代の王家に、ぼくを司る存在が出たって噂には聞いてたけど……何してるの?』

「……自由になりたくて、脱走しました」

『……素直に言うね?』

「御方様に嘘は吐きたくありませんので」

『レシアムでいいよ? ぼくの眷属なら、敬称もいらない』

「いえ! そんな……!!」

『ぼくも自由になれたのなら、いっしょにいたいなー』

「……え? 怒らないんですか??」

『堅苦しいのはこりごりだもん。ただ祀られてて、狭間に漂うだけなのもつまんないし』

「……えと、レシアム、も、自由じゃなかったの?」

『全然』



 毛布の上に下ろしてあげても、彼は目を逸らそうとはしない。本当に、私と似た境遇……ううん、それ以上に自由のない生活を送っていたんだと思うと。


 これは、他人事ではないと、彼に手を差し出したの。



「だったら、いっしょに過ごさない? 私、前世の記憶を持つ、変わった女の子なの」

『ああ。だから、宝石族にしてはやけに大人びていたんだね? ……じゃあ、ぼくは君の守護になろう』



 ぎゅっと、お互いの手を握って契約を結ぶことにして。


 寝るときは、レシアムのさらに強固な結界のおかげでぐっすり安眠することが出来たのだった。


 さすがに、毛布の外で寝てはもらったけどね? 一応、私年頃のレディの感覚持ちだから!!

次回はまた明日〜

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