第25話 対の果汁はさっぱりめルイボス
意外に子どもっぽい反応を見て、ちょっとだけおかしいと思っただけなんだけど。
癪に障ったわけではなかったようなので、少しびっくり。そこは、癇癪持ちのおこちゃまとかとは違うのね?
十二って、中学手前かそれくらいなのに。外見相応の態度にも見えるから……【宝石族】の成長詐欺って、ほんとよくわかんないわ。
私はまだそれ相応になっていないのか。王族だとこれが普通なのか。
どちらにしても、身分証ゲットのためにはセルシスくらいの外見にはなりたいわ……。せめて、高校生くらいの世代にはなりたい。可愛い見た目している私だけど、クールっぽい色合いだから、甘めにはならない感じ?
ラピスラズリの加護が正常値になれば、髪も金色になるから……逆に、ふんわり甘い感じになるのかしら?? どっちにしても、美人になるのは確定っぽいのよね? 両親ともに美形揃いだったし、鏡で成長確認しているから否定はしないわよ??
は、さておき。
レシアムが言うには、次の目的地らしい果実の自生地に近づいてきたので……しっかりついて行けば、ルルク同様に木に巻き付いているつる草が見えてきたわ。ルルクが緑なら、あっちは黒? 普通、逆じゃないかしら??
「はい、レシアム」
水魔法で洗浄しておいたコップを果汁が来る位置に持って行く。
レシアムの爪で、ぷっ、と穴を空けたら……流れ出てきたのは、赤色が強い果汁??
紅茶にしてはやけに赤みが強い感じね? それに、この香り……。
「これが、紅茶か??」
セルシスも疑問に思ったでしょうね? この香りはたしかに、紅茶の一種でもあるけど……こっちの世界じゃ、あんまり馴染みのないもののはず。
私がさっきまでがぶ飲みしていた、ルルクのような珈琲モドキとは全然違うけど。
「ルイボスティーね? これも癖強いんだけど……」
飲んでみる? って、セルシスにコップを渡してみれば。飲む気は一応あるようなので、受け取ってくれた。
少し舐める程度、口にしたら……くい、っと、煽ったわ。どうやら、コーヒーよりは好みだったみたい。
「癖はたしかにあるが。こちらの方が飲み易いな?」
『……うん。リリンの実は久しぶりに飲んだけど。借りた茶葉の香りにちょこっと近いだけだったね?』
「探せば、ダージリンやアッサムとか。あと、フレーバーならアールグレイもあるかもしれないわ」
「茶葉にそんな種類の名があったか?」
「献上品しか飲んでないから、特に名前とか気にしてなかったかもね?」
ちなみに、私がくすねてきた茶葉はストレートのだから……多分、ダージリン。
あと残り少ないから、それはセルシスにあげたわ。私、紅茶よりもコーヒー派だから、たっぷり収穫したルルクの実の果汁で充分だもの!!
こっちのリリンの実については、ひとまず収穫するだけしてセルシスのインベントリに入れることにはなった。
『嗜好品はとりあえず見つかったけど……近くの洞窟に、クルリの対が見つかったよ。行ってみる??』
「ええ! 胡椒があるなら、調理には嬉しいもの!!」
胡椒も石綿の部類なら、【宝石族】の私たちが食べてもなんら問題がないし?
一週間、城で出されていたような供物扱いの食事じゃないの食べてても、レシアムの言う通りヒトの血と順応した期間が長いから……お父様とかが心配している事態には多分ならないはず。
精霊様が言うことだもの。文献とか、今まで伝わってきた噂なんてあてにならない。
うっかりで召喚しちゃった相棒だけど……本当に、頼りになるわ~。
見た目も最高にキュートだし、某モンスターゲットしたつもりじゃないけど……私たちの旅には必要不可欠な相棒兼マスコットだわ!!
次回はまた明日〜




