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転生したら、【宝石族のお姫様】になってた??〜贅沢生活はごめんなので、のんびりスローライフさせてください〜  作者: 櫛田こころ


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第14話 子どもに見えない『大人』

 とうとう、『追っ手』が来てしまったんだけど……。


 セルシスって、人……ううん、『君?』とでも呼べばいいのかしら??


 ちょっと、光沢具合では銀にも見えるきれいな金髪。セミロングくらいあって、毛艶は良さそう。


 肌は白どころか黒い……けど、真っ黒には見えなくて、上品な肌色なのよね? 生まれつき黒いのかしら? 黒人ほどじゃなくても、前世の中近東とか東南の国の人も麦色通り越して、ちょっと黒い人が留学生にもいたし?


 で、顔だけど。



(ワイルドイケメン!! きりっ、とした黒曜石のつり目!! 好みなんですけど!!?)



 【宝石族】の一員。精神と肉体の不釣り合いが生じたら、成長期が一気に進むを体現している……この外見で、実年齢たったの十二歳?? どう見ても、二十以上には見えるわよ??

 

 口に出しちゃったけど、成長詐欺って言われてもおかしくない!!


 ほかに追っ手みたいな人はいないようだけど……どうやって、ここまで辿り着けたんだろう? 私の婚約者になるかもしれなかった相手だから、昔は神童扱いされたのかしら?? だとしたら、いくら私が同じだったとしても熟練度が違う。こっちのがはるかに上。


 それに、何故か『帰る気がない』という意味がわからないから……膝ついて座らせているのもなんだと思って、中に入れてあげることにした。レシアムはまだ警戒しているようだけど、ちゃんと話を聞く姿勢でいるから大丈夫よ、とテレパシーぽくしてみたら『ほんと?』と返ってきたわ。



「……ここは。貴女ひとりで?」



 セルシス君は、この拠点の作りに興味津々のようだったけど。そこは本題じゃないから、椅子代わりに置いてある丸太にどうぞ、と薦めてあげた。



「正確には違うけど。私が作ったのは本当。もともと成長期が来るまでの仮宿にしようとしてたんだけどね?」

「……そうですか。しかし、城を出られたのは何故?」

「あなたの予想では?」

「……しがらみから抜け出すため?」

「その通り。婚約者が嫌とかもだけど。王族のしきたりとかこりごりだったの」



 セルシス君は超絶タイプだけど、気を許しちゃまだダメよ?? レシアムにも納得してもらえていなし、この人とこれから生活するかもしれない未来は……半分良くて、半分却下。自由度が下がるかもしれないから、帰ってもらえるように誘導するしかないもの。



「……しかし、あの痕跡は大胆過ぎでは?」

「そうでもしないと。仮にも王女の逃亡よ? 自発的に思われないために、頑張っただけ。……あなたは、どこで私が偽装したと思ったの?」

「……氷の中に、シーツがそのまま巻き込んであったのが不自然に見えたので」

「……そ、そう」



 やっぱり、軸にはしたけど破いてロープにするのも大変だったから……スロープにしただけじゃ甘かったようね? 今のところ、目の前の彼にしか気づかれていないみたいだけど……それだけで、単身で来たのかしら? 彼の家は公爵家のはずだから、護衛とかいっぱい居てもおかしくないのに。



「だから、興味を持ちました」

「興味??」



 発言を許可してないけど、聞いてほしい感じだったので返事はしてあげた。


 ちょっと直視できないけど、あのきれいな黒曜石の瞳は私を正面から捕らえて離さないような強い視線を向けてきた。


 正直言って、胸の鼓動がうるさいんですけど!? 鎮まれ、私の鼓動!!



「すべてを捨ててまで、自由を求めた貴女の生き方に……興味を持ちました」

「……ただの家出じゃないのよ?」

「ええ、当然ですね。俺が城へ戻せば、当分の間は幽閉生活が待っているでしょうが……それは、させません」

「……本当に、帰らないの?」

「俺も、同行させてください。ああ、婚約者というのは、まだ未発表ですので。単なる友人扱いで問題ないですよ?」

「ゆ、友人?」

「いけませんか?」

「外見不釣り合いな年上の男の子……友だちって、いなかったもの。乳兄弟も女の子だったし」

「では、慣れてください」

「……だけど。レシアム、どう思う?」



 もうここは、レシアムの意見を聞かないわけにはいかない。私の横でころんと寝ていたようだけど……私が覗き込めば、首を縦に振ってくれた。



『いいんじゃない? 最凶とも言える防御の盾がいるなら』

「……言葉?」

「この子、私のラピスラズリの精霊様なの」

「……は?」

『レシアムって言うんだ。よろしくね、セルシス』

「え、はい。その」



 普通そうよね? 王族でも滅多に会えない精霊様がこんなわんこみたいに可愛い形態とってちゃ。



『ぼくが認めたなら、マリンもいいんじゃない? でしょ?』

「あ、うんまあ」



 けど、そうね。


 レシアムが警戒を解いているのなら……セルシス君の言葉を信じてもいいかもしれない。


 だって、この体格の差で、魔法とかも私以上に得意ならとっくに抱えてまで城にダッシュするはずだもの。それをしないって、レシアムですらわかるのなら信用くらいはしていいかも。



(それに! 目の保養になるイケメンは悪くない!!)



 一応婚約者だったらしいけど、まずはお互いのことを知らなくちゃね??


 あと、お腹は空いていたみたいだから。一度火を止めた焚火の調理を再開すると……手際の良さに驚かれてしまった。さすがに、いきなり『前世の記憶持ち』は話せないので、神童としての対応をすることにしたわ。




次回はまた明日〜

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