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転生したら、【宝石族のお姫様】になってた??〜贅沢生活はごめんなので、のんびりスローライフさせてください〜  作者: 櫛田こころ


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第12話 今度は調味料モドキ??

 家出生活、四日目くらいかしら?


 基本的な食材は植物性タンパク質モドキのフーリスやリザーレだけど。


 それだけじゃ飽きるから、今日は魚掴みをしてみることにしたの。


 滝つぼ近くの川に、少し大きな魚の影を見つけたから……レシアムと、魔法を使いながらつかみ取りっぽい捕獲をしたら、ほいほい取れたの。



「ぱっと見、イワナとかニジマスに見えるわね?」



 淡水魚とかなんちゃら~くらいの知識はあるけど。活〆したあとは、インベントリに入れておく。鮮度は保たれていても、幼児の身体でうまく調理できるかわかんないんだもの。そこは、拠点に帰ってから考えることにして。


 今日の目的はもうひとつ。


 レシアムがまた匂いレーダーぽいことで、面白い場所を見つけたって言ってくれたのよね?



『滝つぼの裏に、洞窟があったんだ。そこに、嗅いだことのある香りがしたんだよ』



 リザーレを発見したときは、水の勢いが強くて探知出来なかったらしいけど。今日は違ったようなの。


 どんな不思議面白食材なのか、出会う楽しみに期待を膨らませていた私は。濡れ防止の結界を自分にかけてから、レシアムの案内で洞窟に突撃してみた。


 灯りの魔法を出して、暗いそこを照らしてみれば……純白の綿??の群れがふよふよ浮いていたのよね? 生きている感じはしないから、これが食材なのかしら??



「これ、なぁに??」

『クルリの綿。……えーっと、石綿の一種だけど、食材だよ。ぼくらにとっては塩の結晶体の一種なんだ。宿る精霊はいなかったはず』

「これが、塩の結晶??」



 きれいな綿にしか見えないけど、そうじゃないみたい。塩と言うからには宝石じゃなくても、石の一種。食べられる食材にはとても見えないが、レシアムが近づいて綿に前足を伸ばすと……ふわん、と弾けて地面には砂の山のようなものが出来た。


 レシアムはためらわずに舐めてみると、軽く、舌をぺっぺと出した。



『あ、うん。本当に塩。辛いな~』

「ってことは、ここにくれば塩が捕り放題??」

『そうだね。対になる胡椒の場合もあるけど……ここにはない感じだね?』

「塩があれば、さっき獲った魚の下ごしらえができるわ!!」

『じゃ、刺激を与え過ぎないように魔法で包めばインベントリに入れておくことも出来るはずだよ』

「りょーかい」



 風魔法で『網』をイメージして包んであげれば、その中で塩の山となったクルリ。


 大量に持って行くのも少しもったいない感じがしたので、だいたい一キロくらいを目安にして滝つぼから出ることにした。



『魚の下ごしらえっていうけど。マリンは出来そうなの?』

「うん、前世の記憶がまだ残っているし。任せて!」



 拠点に戻ってから、もう少し汚れてもいいシャツとズボンに着替えて。


 ちょっと大きな魚を、フーリスの葉の上に置いてから……風魔法でお腹を切る。臓物と血がざーっと出てきても気にしない。取り出したら、焚火にくべて焼却。道具があれば煮つけも出来るけど、醤油も砂糖もないから無理だもの? お鍋も一応あるけど、そんな凝ったものを今から作るのは大変。


 まずは、基本的な塩焼きを作らなくちゃ!



(クルリの塩をお腹の中にもよくまぶして……外側全体にもまぶしたら)



 二匹分出来上がったら、これを木の枝にぶっ刺す。レシアムと協力して浮遊魔法を使っての芸当よ? 大人の身体してたら、私が両手で刺せただろうけど。無理なとこは別の活用法をすればいい。


 塩まみれの魚が出来たら、あとはじっくり焼くだけ。



『塩焼きかぁ?』

「貴重な動物性たんぱく質。ちゃんと食べれるのは初めてね?」

『その単語も、前世の?』

「そう。一応学校とかで習うくらいのレベルだけど」



 大学は文学部しか進学出来なかったが、講義はそれなりに面白かったし……あの衝突事故がなければ、今のような生活とは違った人生を送っていただろう。


 後悔しても仕方ないし、今は今で王族なんてしがらみから抜け出して自由満喫なスローライフを始めているんだから!! 同じ人間じゃないけど、仲間もいるから問題なし!!


 片面が焼ける香ばしい匂いがしてきたら、すぐに串替わりの枝をくるっと反対側に回した。



『肉とは違う、食欲をそそる匂いだねぇ?』

「ね~? 魚もだけど、調味料とかが揃えばいろんな料理が作れるのよね?」

『どんな?』

「炒め物、揚げ物、蒸し物……とか?」

『全然知らないなあ? マリンのいた異世界ではそんなにも料理があるんだ?』

「こっちもなくはないけど。庶民はともかく、王族のご飯って冷めきって味気なかったのよね……」

『供物の理由にしたって、可哀想』

「ね? だから、今が一番楽しいの!」



 さあ、焼けた!! と、魚の脂がしたたる串が完成したんだけど。


 取ってつけたように作った扉から、誰かがノックする音が聞こえてきたの!?


 レシアムはすぐに臨戦態勢を取ってくれたけど……私は、焚火を消してから『誰?』と声をかけた。


 だって、対戦モードになってこの拠点が火事になるとか嫌だもの。変なとこで冷静なのよね、私。

次回はまた明日〜

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