第111話 ホットコーヒーの美味しさ
最近のモーニングルーティンにあることを取り入れている。
と言っても、コーヒーもどきことルルクの実の果汁を小鍋で温めるだけ。
寝起きには白湯がいいとか前世では言われたりしてたけど、私は味付きのがいいし目が冴える気がするのよね?
「……美味いのか?」
「あら、おはよう。セルシス」
「おはよう……」
セルシスは甘くするとかミルクを入れないと飲めないから、ブラックコーヒーの美味しさがわからないのよね? 常温でも苦味が強くて咳き込んでいたくらいだし。
飲んでみるかと、コップを持ち上げてみたら……じーっと、見つめているのでまったく興味がないわけでもないみたい??
「淹れてあげようか?」
「……少し、でいい」
「はいはい」
小鍋を用意。ルルクの実に針で傷をつけて、つーっと、流れていくのを小鍋に落としていく。私用だとふたつかみっつを使うが、今回はセルシスの分だけだからひとつ。
コンロに火魔法を展開させて、ちょっとあぶくが出るまで火にかける。
出来上がったら、コップに注いで渡してあげた。少し温めくらいにしてあげたけど……飲めるかしら?
「……!」
覚悟を決めて飲んでみたようだけど、温めても苦味はそのままだから……軽く舐めた程度でも、渋い顔つきになった。予想していたけど、可愛いからついついこっちも苦笑いしちゃう。
「もう。無理して飲まなくていいのに」
「……君が普通に飲めるから。温かいものなら、と」
「苦いものは苦いわよ? ミルク入れようか? ティーテウなくても薄まるわよ?」
「……いただく」
軽く温めたミルクを注いであげれば、ほとんどコーヒー色の面影がなかった。ちょこっと苦味のあるミルクね?くらいになったら、彼でも飲めるようになったみたい。
「けど、これから寒くなるし。セルシスにはリリンの果汁を温めた方がいいかもね?」
「あれも熱くできるのか?」
「異世界ではホットルイボスティーっていうのがあるんだけど。それに近いわね? あとで飲んでみる?」
「ああ」
『おはよ~~』
レシアムはちょっぴしお寝坊さん。朝は温めのミルクが一番らしく、小鍋で温めたのをお皿に入れてあげる。ぺろぺろ舐めてから、今日の朝ご飯を何にするか決めていく。
だいたい、起きてからの過ごし方はこんな感じ。冬支度もまあまあ済んでいるから、焦る必要ないもの。
それに。
『はぁい。モーニン!! 皆のお姉ちゃんのザクロが来たわよん!!』
『おあよー、皆~~』
魔物ふたりが今日の食材であるお肉とかお魚を確保してきてくれるので、ゆっくり調理に挑めるしね?
そして、このふたりはホットコーヒーが無理だから、セルシスよりは濃いめのカフェラテにティーテウの果汁を入れて甘くしないとダメみたい。皆、コーヒーの独特だけど芳しい苦味をわかってちょうだい!! これが癖になるんだから!!
だけど、押し付けるつもりはないから、今日は今日で一日をスタートすることにしたわ。
次回はまた明日〜




