第109話 冬になる前に練習したかった
魔法のアレンジがちょっとだけ出来るようになったのなら。
一度は、やってみたいことがあったのよね?
「凍れ!!」
湖の手前にある岸辺。
そのうちの一角……地面だけを凍らせる。ただ凍らせるだけでなく、表面をツルツルにして凍らせていくの! コントロールに少し気力を使ったけど、数分後には出来上がったわ!!
私たちがこれから遊ぶための場所。
その名もスケートリンク!!
きれいな楕円に仕上がらなかったのはご愛嬌ということで。
『んま! きれいな氷じゃなぁい? これで何するのん??』
『ツルツル〜〜』
「皆はともかく、私とセルシスの靴底には……!」
形状変化を使用して、イメージから作り上げたのはスケート用のブレード!! 素手で触らないように気をつけることはセルシスにも伝えてから……氷の上に立ってみる!と思ったんだけど、すってんころりんとなりかけたわ。まだ氷に立っていなかったセルシスがキャッチしてくれらから怪我することはなかったけど。
「……なんて、危ないことをするんだ!!」
「いや、洗礼としては普通だから。この刃だけで、氷の上に立つのよ? 支え作るべきだったわ」
「そうじゃなくて……」
『じゃ、あたしが支えになってあげようかしらん?』
「ありがと~~」
セルシスはすこーし過保護なところがあるもの。キャッチしてくれたお礼はちゃんと言ってから、ザクロさんの脚のひとつを支えとして借りた。
ジグザグな動きになるけど、今生でははじめてのスケートだから仕様がない。前世では街中にスケート場があったから、フリーパスを購入するくらい打ち込んでたの。別に選手になりたいとかじゃなくて、ただ遊びたかっただけ。
結構アウトドア派だから、運動も嫌いじゃなかったの。これからグルーミンの山は冬の装いになるし、移動には浮遊魔法を使えばらくちんかもしれないが……こういう遊びも早いうちに出来ればなって、考えたのよね?
実際、慣れてくれば前世のときのようにすいすい滑れるようになったの。
『マリン、すごーい!』
チロルちゃんはザクロさんの頭の上で見てたから、私の上達の速さに感心してくれていた。ザクロさんから離れ、すーっ、と、片足を蹴れば思った以上に速く滑れる。この勢いで、やってみたいことはアクセルなのよね!! ダブルまでなら出来るわよ!!
『『『わ~~ぉ』』』
「だ、だいじょうぶ……か?」
ちゃんと着地も失敗しなかったから、気持ちがいいわ~~。
セルシスは氷にも乗ろうとしないけど、ザクロさんとかはつるつるするけどがんばってすべってみようとまずは前足で慣らそうとしていた。レシアムも似た感じ。
「ほーら、皆おいで~~?」
ひとり、好きに滑れている私のようにすぐに出来たらつまんないけど。
湖とかが凍ったら、冬の釣りとかで活用できるように早いうちから練習出来た方がいいもの。習うより慣れろってこと!!
でも、私のように滑るのはそう簡単にうまくいくはずもなく……せっかくなので、セルシスの手を掴んでレクチャーするところから始めたわ。教え方下手だから、ちょっと丁寧にしたけど……痛いくらいに手を掴むのは勘弁して!? 青年体なんだから握力が倍以上に強いんだもの!!
次回はまた明日〜




