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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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 それに気付かず、深雪はいつも通り「にしし」と笑う。自分が仕える陛下との思い出を懐かしみ、嬉しそうに優しい微笑みを浮かべた。その微笑みは、どこか悲しげな不思議なものであった。

 深雪の思う陛下がこの手紙の差出人。その二つが重ならなくて、咲希は表情を崩してしまいそうで。だから深雪に去って貰おうと、命令をする。

「一葉が危ない、早く助けに行け! 深雪、今すぐ一葉を! 雄大の城にでも連れて行け、今すぐだ! 野乃花、お前は日良を呼べ。守りを固めさせるんだ」

 物凄く慌てて咲希は叫んだ。咲希による直々の命と言うこともあり、深雪と野乃花は疑問に思いながらも従う。深雪はすぐに一葉を残した城へ向かい、野乃花は日良の元へ走り出す。

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