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サクラのキセツ 陽  作者: 斎藤桜
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その言葉

 精一杯の勇気で、野乃花はお願いをした。恩人の為、恥を捨てて頭を下げた。そして野乃花のお願いには、優しい和輝も驚いている。

 頼むまでに、野乃花は何度も躊躇いの表情を見せた。それほどまでに、野乃花は日良以外に頭を下げることを嫌う。そんな彼女が頭を下げたのは、自分の為ではないという。それを、和輝は十分優しさと取る。

 そして、いかに野乃花が日良のことを慕っているのかを感じる。どうして日良は野乃花を信じてあげないのか不思議に思う。そして和輝は、野乃花の想いを必ず成し遂げようと決意した。

 野乃花は和輝の手を掴み、悲しそうに見つめていた。日良のことだけを愛す野乃花だけれど、和輝の温もりには幸せを感じていた。大きくて温かい、日良のものとは違う弱々しい手であった。

 それでも彼女は、日良以外を愛したりしない。日良だけに忠義を誓い、他など目もくれなかった。だって彼女は、心から日良が大好きだったから。

「分かってる、俺は皆を助ける」

 野乃花の決意に、暫く口を開けなかった和輝。それでも小さな体で頑張る彼女の為、低い声でそう口にした。それは、和輝自身の夢でもあった。

「そんな言葉、誰でも言えるっつの。にししししし」

 強くなろうと和輝が野乃花に言った言葉。その言葉に多少被るように、深雪の笑い声が聞こえてきた。その笑いは、悪戯やからかいとは異なる笑いである。だから和輝も少し、恐怖を覚えた。

「ジュッキー、こんにちは~! でもその言葉、深雪は聞いたことあるよ」

 三人の前に深雪が降り立った。そして自分より大きな和輝の胸座を掴みあげ、鋭く睨み付けた。咲希の友達ではなく、藤原家に仕える忍びの瞳。それは、和輝が初めて見る瞳。

「ジュッキー、アンタはアイツとは違うんだ。実現させてみろよ?」

 そのあとすぐに、いつも和輝に向けるような笑顔を浮かべる。咲希を守る為に一応疑うが、深雪本人は和輝のことを信用していたから。

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