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苦しみ
あまりにも和輝は優しくて甘くて、野乃花は圧倒されてしまう。咲希と和輝の強さを秘めた瞳を、野乃花はただ見つめているしか出来なかった。
だって彼女は、そんな強さ持っていないから。彼女には、その強さの意味すら分からなかったから。そして野乃花はそれを悲しんだ。悲しみ過ぎて何が悲しみか分からないと言う、本人にも理解出来ない悲しみである。
「日良様を直す、ですか。別にあからさまに疑っている訳ではありませんし、ノンは構わないのですが……。変態、いえ……和輝」
自分が知らない強さを感じた野乃花は、和輝に願いを託そうと思った。だから息を整え勇気を出す為、一度深く深呼吸をする。和輝に強さを感じたからこそ、変態ではなく名前で呼んだ。
それほどまでに、野乃花は助けを求めているのである。その強い気持ちは、和輝にも咲希にも伝わっていた。だから二人とも優しく微笑んでいる。
「出来るのならば、日良様を助けてあげて下さい。誰も信じることが出来なくて、苦しんでいる筈です。ノンはあなたのことを、信じていますから……。あなたのような変態を信じるのは、今回だけですからね」




