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物語
不思議そうな表情で、野乃花は冷静にそう言った。いろんなところに兵たちがウロウロしていて、異国へ行くのには一苦労だ。
「俺だって、家から歩いてきてはいないと思うんだ。気が付いたら森の中にいて、ちょっと歩いたら咲希ちゃんたちが戦ってた感じだから」
和輝のその言葉で、野乃花は何かに気が付いたようだった。
「そんな感じの話、日良様の書庫の本で読んだ気がします。城に着いたら、探してみますね」
これまで数千冊もの本を読んできた野乃花。その中でも、その本の主人公は結構お気に入りだった。だからどうしても和輝と照らし合わせてしまう。
「ありがとう、そこには帰り方とかも書いてあったりするの?」
素直な気持ちで和輝は問い掛けた。親とかが心配しているのでは? そんな気持ちで問い掛けた。しかし、咲希にとっては違った。
「変態は、帰りたいのか?」
悲しそうな表情で、咲希は和輝に問い掛ける。瞳を微かに潤ませて、和輝を不安気に見上げていた。




