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函館はイカが有名です ②

 神話上の生物クラーケン。

 目の前に起きているのは現実か夢か。出来れば夢であってほしかった。


「もうこれ魔法を隠すとか言ってる暇ねーじゃねーか。ここまで甚大な被害出されて魔法禁止は無理ゲーすぎんだろ」

「とりあえず新幹線の中の客をどうにかしないと!」

「浮遊魔法で一人ずつ運んでいたら間に合わないわよ!」


 巨大なイカの魔物にゆっくり降ろしてもらうしかないだろうが、こんな無邪気に遊んでいる魔物に言葉が通じるわけがない。

 クラーケンの触手が海を叩き水飛沫をあげてわまるで嵐の中のような水が地上に降り注ぐ。


「とりあえず皆様避難を! そこのあなた方も!」

「いや、私らは戦うからいい。ってか戦うしかねーだろ」

「危険ですから!」

「私らは魔法使いだよ。やるしかねーだろ」

「あ、あなた方が噂の……」


 警察官の人は後ろを振り返り、避難誘導を続けていた。

 野次馬でクラーケンを見にくる人、上空にはマスコミであろうヘリが飛んでいる。


「しゃーない。多少の犠牲には目を瞑るしかないか」

「そうね。これはもうどう足掻いても無理」

「クラーケンってどんだけ強いの?」

「ただ身体がデカいだけの雑魚よ」

「ならよかった」


 私は宙を飛び、クラーケンに近寄る。クラーケンが私を捉えると、触手が私を叩き落とそうと飛んできた。

 私は触手を炎魔法で焼き焦がす。


「イカ焼きにしてやるぜ!」


 この巨大、生半可な威力の魔法は通じないだろう。

 たっぷりの魔力を込め、クラーケンに巨大な炎の玉をぶつける。クラーケンは激しく暴れ、新幹線を海に落とした。


「サクラ! 浮遊魔法使えるよな!? 救助に迎え! 私とアルタで気を逸らす!」

「りょーかい!」

「"ママラガン"」


 アルタが強力な雷魔法を放つ。

 クラーケンは感電し、ピクピクと動く。


「なら私もそれに倣って必殺技叫んでやるぜ! "ヘルフレイム"!」


 私は炎を矢の形に整え、勢いよく放つ。

 炎の矢はクラーケンに突き刺さり、その突き刺さった周辺を焼き焦がした。

 クラーケンはとても苦しそうである。


 巨大な二つの目で私を見ていた。

 大きな触手が大量に私たちに襲いかかってくる。


「やべ、これだけは捌ききれねえ!」

「ちぃッ」


 私たちに触手が襲いかかってきた瞬間、触手が誰かによって切り刻まれた。

 ゲソが海に落ちていく。


「あ?」

「茜さーーーん!!! アタシが来たっス!」

「あ? なんでここにヤマトいんの?」

「走ってきました! 触手なら私がなんとかしてやりますぜ!」


 ヤマトは刺身包丁を持ち飛び上がる。すごい身体能力だ……。私たちと同じ高さまで飛び上がったかと思うと、刺身包丁でイカの足を切り刻んでいる。


「定食屋の娘舐めんなイカ風情がッ!」










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