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函館はイカが有名です ①

 温泉から上がり、マッサージマシンに寝そべる光。隣ではコーヒー牛乳を飲む推華と興味津々に自動販売機を眺めるアルタ。


「勇者アインは大阪にいるっぽいぜ」

「さっきテレビでやってたわね。サウナの中で見てたわ」

「行くか?」

「んー、オラそこまで余裕あるわけでもねーしオラは帰るど……」

「私も。あまり移動は得意じゃないのよね」


 推華と光は帰るを選択する。

 もちろん私だけでは無理だ。勇者の顔がわからんし。アルタ、サクラのどちらかが一緒に行くしかないが……。


「私は行くわよ! オオサカってとこ楽しみねぇ」

「私も行きたい! 旅行大好き!」

「んじゃ、私も行くわ。今日は泊まって明日から別行動だな」

「オラたちどう帰ればいいだ? 転移魔法使えるのはアルタと茜だけだべ……」

「警察の人に送ってもらうしかねーわな」

「まぁどちらにせよ転移魔法使うにしたって警察署からじゃないと周りに見られるかもしれないし聞いてみればいいと思うわよ……」


 大阪に行くのは私とサクラ、アルタ。

 光と推華は家に帰ることに。


 そして翌日、私達は札幌駅で函館行きの電車のチケットを取り、函館に向かうことにした。


「函館といえばイカだよね〜。十年前に食べたよ。美味かったなぁ〜」

「今回よる暇ねーぞ。こっから新幹線だからな」

「ほへー、北海道新幹線できたんだ」

「そっか。お前異世界行ったの2015年の時だもんな」


 そん時はギリギリ出来てなかったか。


「しんかんせん? なにそれ。この電車ってやつと何か違うの?」

「そりゃとてつもなく早い乗り物だよ! 何気に新幹線初めて乗るかも!」

「新青森まで着いたら東北新幹線に乗り換えて東京まで向かうぞ」


 なぜ陸路を選んだのか。私が新幹線乗りたかったからである。

 船で新潟、茨城に向かうというのも案としてはあったし、なんなら空港で行けばよかったが券が取れなかった。が、新幹線で指定席が取れたので三席指定席で向かう。


「うっひょー! はえー!」

「こ、この速度で移動して大丈夫なの!? 何かにぶつかったらまずくないかしら……」

「いや、まずないから。そういうのは……。線路内に突入するバカがいない限り」


 その時だった。

 新幹線の中が揺れる。そして、新幹線が宙に浮いていた。


「な、なに!?」


 乗客全員が宙を待っている。いや、新幹線が落ちてるのかこれは。

 なぜ!? 訳がわからない。外を見てみると、なにやら丸い何かが窓に引っ付いている。


「きゃああああああ!?!?」

「皆様おち、おちおち、落ち着いてください!」


 宙に舞ったかと思えば、今度は床に叩きつけられる。そして再び今度は天井に叩きつけられて行く。

 なにか揺さぶられている感じだ。子どもが玩具を振り回すような感じ。


「なにこれ、これも新幹線ってやつなの!? 不便な乗り物ね!」

「いや、なんか外にいるんだよ! 魔物だよ多分!」

「魔物ならなんとかしねーとやべーだろ! このままだと全員死ぬぜ!?」

「そうね! とりあえず外に……窓が開かないわ!?」

「新幹線窓開かねーんだよ! 扉から出るしかねえ!」


 浮遊魔法で身体を安定させ、そのまま扉の方へ向かう。

 扉を魔法でぶっ壊し外に出ると。


「わぁ、でけーイカ」

「函館はイカで有名とは言ったけどねぇ……」

「クラーケン……」


 巨大なイカが新幹線をぶんぶん振り回していたのだった。










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