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警察署にて

 現在、私たちは警察署の中にいる。

 宗谷岬で起きたゴブリンによる惨殺事件。隠れていた人が警察に通報したようで、宿に向かおうとしたと同時に警察の人がやってきた。

 その場にいて逃げられるわけもなく、任意という形で連行されていく。


 事情を明かしていくうちに、魔法という存在を打ち明けることになってしまった。

 アルタのことと、あの魔物のこと。そして魔法のこと。すべて警察の人に打ち明け、証明として魔法を使ってみると信じたようで、不思議なものを見る目で私たちを見て居る。


「世の中不思議なこともあるもんすねぇ。異世界からの人に魔法とか」

「な、なぁ。俺も魔法使えたりする?」

「いや……。魔力を感じないし使えないわね」

「なんだよー!」


 警察の人もだいぶフランクになってきていた。

 やはり普段はファンタジーの中だけのものだと思っている魔法が存在していたと知ると、興味を持つ人が割といるのだろう。

 私にも魔法を見せてくれとせがんでくるのもいる。


 警察の人と雑談をしていると、なにやら奥から老齢の男性がつかつかと歩いてきた。


「失礼。私は稚内警察署警察署長、近藤 晴彦という。あなたがたが噂の魔法使いということで間違いないな?」

「え、はい」

「君たちに相談があってきたのだ」

「相談?」

「今回の事件、規模的にも大きいものではあり、そういったことがあるのだと確認されたので報道がされる。魔法の存在を公にしてもよいかどうか」

「……まぁ、私たちの名前を出さないならいいと思いますけど」

「そうか。了解した。ところで……」


 近藤さんは少し言いづらそうに、口を開く。


「変身魔法が使えるのだと聞いた。猫とかにはなれるのか?」

「え、なれますけど」

「本当か?」


 私は黒猫に変身する。

 周囲の警察官はおぉと声を漏らしていた。人間が猫になるという世にも珍しい光景である。私は警察署長に抱えられ、頭を撫でられた。


「私は昔から動物に逃げられるのだ……。人間ならば逃げない……」

「その理由で……」

「君たちのことは世間には秘密にはしておく。が、警察内で情報は共有しても構わないだろう? そのほうがいろいろ君たちも少しは動きやすくなる」

「そうですね。お願いします」

「ふふ……。いい毛並みだ」


 あの、私は人間ですし一応レディなのですけれども。

 まぁ、別に撫でられるくらいはいいのだが……。


「魔法がほかにどんなことができるのかね?」

「浮遊とか身体強化とかだなぁ〜。たとえんば……」


 推華が身体強化し、ベンチを片手で軽々と持ち上げていた。


「おぉ……。片手で……」

「身体強化してるといろんなの強化されっから便利なんだぁ。パトカーと力比べしても負けないべ!」

「やってみます?」

「望むところだ」


 ということで、パトカーに牽引用のロープを繋げ、片方を推華が持つ。

 そして、パトカーはアクセルを踏んでいるが……。


「「「「おぉ……」」」」

「フルアクセルだぞ!?」

「な?」


 片手で押さえ込めてる推華はやはりおかしい。

 推華って身体強化に関しては群を抜いているんじゃないかな。多分私ではアレは無理だ。

 そもそものフィジカルが違うのもあるが……。


「えげつないな……。これが魔法の力」

「異世界では普通のことらしいんですけどね」

「はは……」


 警察署長は苦笑いを浮かべる。


「いいものを見れた。ありがとう」

「いえ。それよりもなのですが」


 光が警察署長に向き合っていた。


「私たち、数年前の神隠し事件について調べるためにここに来たんです。よければその時の捜査資料とかを拝見させて頂くことは出来ないでしょうか」


 あ、警察なら調べてるか……。









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