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ランルーサはしばらく考えてからジルダスからその宝石を受け取った。

その時、急に宝石が光出し手に持った宝石の中から女性の映像が映し出された。

そしてその女性が言葉をはっしたのだ。


「ランルーサ、あなたはあなたの人生を生きなさい。あなたを抱くことができなかった母を許してね。あなたの幸せを祈っているわ」


その女性はランルーサによく似ていた。

いつの間にかランルーサの目には涙があるれていた。

そんなランルーサをダーイは優しく抱きしめた。


「おっお母様、私は・・・私は・・・」


涙で言葉がでてこないランルーサにジルダスが言った。


「ランルーサ、覚えておいてくれ、僕は君の代わりになるんじゃないんだよ。僕はこのルーアルーアに生まれた民の一人として、最善の未来の為に祈りの塔に入る決断をしたということをね。君が祈りの塔に入っても永続的な存続は望めないだろう。だったら僕は一パーセントの可能性にかけようと思ったんだよ。一年前の君の舞台を見た時にね」


「あの舞台をみてらしたんですか?」


「ああ、実は一年前僕はカーリの守り石を取りにこの村に来ていたんだよ。代償としてこの髪と瞳を差し出す覚悟でね。既に先を越されていたけどね」


「あ・・・」


「本当に、ランルーサが守り石を渡したら、もう一生祈りの塔の巫女になれって言ってこないのか?その‥ランルーサの母ちゃんみたいに、子どもを産んだら入れなんて言って来たりしないのか?」


ダーイがぶっきらぼうに聞いた言葉にジルダスは答えた。


「ああ、僕には弟が三人もいてね、僕が王にならなくても全然王家は困らないんだ。弟たちは結構優秀でね。なんなら、僕はいらないぐらいでね。僕も実をいうと、祈りの塔で生活する方が性に合っているんだよ。カーリの守り石を持って帰って、カーリとの契約で僕が祈りの塔に入ることになったと言えば簡単に許可があおりるだろうしね」


「でも…あなたが犠牲になる必要は・・・悲しむ人はいないのですか?」


ランルーサはじっとジルダスを見つめた。


「そうだな…たぶんいないだろうな。あっでも死ぬわけじゃないしね。塔の外の様子は知ることができるし、世話係の人間とは普通に会話もできる。だから、僕はずっと君たちのことを監視していることを忘れないでくれよ」


「・・・本当に私ここにいてもいいのですね」


今にも消え入りそうな声だった。


「ああ」


ジルダスはそういうと、ランルーサの手の平にのった蒼の石の上に自分の手を重ねた。


その瞬間、ス~とジルダスの手の平にその蒼の石が吸い込まれるように消えた。

そして代わりに白い石がそこにはあった。


「それは今日から君の守り石だ」


ジルダスは重ねられたランルーサの手の平から離すと、右手を握りしめた。

「えっ?」


ランルーサは自分の手の平に置かれた小さな白い石をじっと戸惑いながら見つめた。


「カーリの石と交換だよ」

「でもこれは」


ランルーサが何を言いたいのかわかっているかのようにジルダスが答えた。


「大丈夫だよ、守り石は二つももてないんだよ。それに君は僕の…いやその白の守り石はすぐに君になじむはずだ、もし守り石にならなくても、何かの役にたつだろう」


ジルダスは最後まで言わなかった。心の中で続きを言うのだった。

君は僕の双子の妹だから、本来は一人で生まれてくるはずが二人に別れたんだ。たまたまその石を僕が握っていただけのこと、祈りの塔にはいるならそれはもう必要ないからね


ランルーサは自分の手に握られた白い石から温かいぬくもりを感じるのだった。

その石をギュッと握りしめると、ジルダスに笑顔を見せた。

「いつか、必ず朗報を持って会いに行きますから」


ジルダスはほほ笑むと軽く頷いた。

そして二人から離れて馬車に向かって歩きだした。

そして小さく呟いた。


「ランルーサ、我が妹よ、この国はいつか岐路にたたされるだろう。緑の民が死の砂漠に飲み込まれる日がそう遠くない未来で必ずくるだろう。それを阻止して、一筋の光を灯すことができるのはランルーサ君達だ。カーリは光の種を天より送り込んだ。そして君はそれを確かに受けとってくれた。僕はこの二つの金と銀の種子は君達だと信じているよ」


そういうと、ジルダスは馬車に乗り去って行った。



「ありがとう」


ランルーサは去って行く馬車に向かって手を振りながら叫んだ。

馬車の中にはビーゴスが話しかけた。


「本当によろしいのですか?」


「そうだな、カーリ神の守り石だけでどれだけ持ちこたえられるか正直僕にもわからない。だけど、近い未来で、彼らが僕ら緑の民が生き残る道を見出してくれることを信じてたいんだよ。どのみち彼女があそこに入ったとしても、現状維持だけで次の世代まであの砂嵐を防ぐのは不可能だからね。あれをどうにかするには、別の方法を導く必要があるんだよ。僕は彼らにかけたいんだよ。僕にはない純粋な心と愛をもつ二人にね。僕があの塔に入ってもお前は会いにきてくれるんだろう?」


「仰せにままに我が王よ」


ビーコスはそれ以上は何も言わなかった。

ただ、目の前のジルダスに頭をさげた。


その後、彼は祈りの塔に入ったことがルーラルーラの各所に知らしめられた。

その後の彼がどうなったかは、ジルダスとランルーサの隠されていた双子の兄妹がのちにもう一度対面するのはもう少し後の事である。


その瞬間は砂の嵐が消え、頭上に砂が降ることがなくなり、緑が世界中に広がった世界に戻るのはもう少し先の未来の話である。




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