03.忍者、香住蓮-4
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「この結果は――予想外ですね」
部下が持ってきた書類に目を通すと、マルコは少し困ったような笑みを零した。
「前試験。簡単すぎました?」
「いや。なかなか意地悪だったかと……」
「そう?」
魔術師に求められる物は、力だけではない。
頭脳・肉体・精神に置いても、平均値を上回る必要があった。
力に溺れ、自分を見失うような未熟者から、魔力を奪わなければどうなるか――歴史を見ればよくわかる。
魔術を巡る幾多の内戦。魔力に肯定的な国と、否定的な国で、世界を2分にした戦。歴史史上に残る、大戦と冷戦を再び起こさない為にも、組織による統率・支配が大事だとクロノスは考えていた。故に、より優れた人材のみ求めている。
しかし、1人1人の素質を見極めるには、今年はあまりに受験者数が多い。今までと同じ方法では意味がないと考えたマルコは、かつてない初のシステム――前試験を導入させたというわけだ。
予定では、ここで4割の受験生が落選するはずだったのだが、実際、落選した人数は全体の1割。この後、考えてた試験方法を変更せざる負えなくなり、マルコは思わず頭を抱えた。
「レクター大佐」
部下である好青年風な男性が、口元に笑みを浮かべる。
「トーナメントで決めてしまえばいいのでは?」
「そうしたいのは山々ですが……」
マルコは首を横に振りながら書類を机の上に置いた。
「グレイン少尉は、それでいいと?」
「前回は筆記試験と面接、あとは乱闘でしたから。まあ、そのせいで合格者1人でしたけど……ま、愚策ですよね。前回の担当者、降格になったし」
「結果論ですが、その合格者に問題がありましたからね。……なので今年は、協調性を見たいなと、チーム戦も考えていたんですよ」
ただ如何せん人数が……、と呟くマルコに、グレインはやれやれと肩を竦める。
「どうせ、大佐の事ですから短期で終わらせるつもりはなかったのでしょう?」
「ふ。まあ、少し考えもありまして……ね。最終試験はじっくり執り行おうかと」
「じっくり……って、え?」
マルコは笑顔を浮かべながら、グレインに向かって頷いた。
「仕方ありません。予選を取り入れます」
「予選……って?」
「チャンスは2回、1回でも勝てば通過です。……戦ってもらう相手はランダムに機械で選んでもらおうかと」
「誰と戦うかもわからないって事ですか」
面白い、とボヤくグレインにマルコは満足げに頷く。
「実践では誰と戦うかわかりませんし、ね」




