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キルト  作者: カシミア
前編
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14/20

03.忍者、香住蓮-4

*




「この結果は――予想外ですね」

部下が持ってきた書類に目を通すと、マルコは少し困ったような笑みを零した。

「前試験。簡単すぎました?」


「いや。なかなか意地悪だったかと……」


「そう?」




 魔術師に求められる物は、力だけではない。

頭脳・肉体・精神に置いても、平均値を上回る必要があった。

力に溺れ、自分を見失うような未熟者から、魔力を奪わなければどうなるか――歴史を見ればよくわかる。


 魔術を巡る幾多の内戦。魔力に肯定的な国と、否定的な国で、世界を2分にした戦。歴史史上に残る、大戦と冷戦を再び起こさない為にも、組織による統率・支配が大事だとクロノスは考えていた。故に、より優れた人材のみ求めている。


 しかし、1人1人の素質を見極めるには、今年はあまりに受験者数が多い。今までと同じ方法では意味がないと考えたマルコは、かつてない初のシステム――前試験を導入させたというわけだ。


 予定では、ここで4割の受験生が落選するはずだったのだが、実際、落選した人数は全体の1割。この後、考えてた試験方法を変更せざる負えなくなり、マルコは思わず頭を抱えた。




「レクター大佐」

部下である好青年風な男性が、口元に笑みを浮かべる。

「トーナメントで決めてしまえばいいのでは?」


「そうしたいのは山々ですが……」

マルコは首を横に振りながら書類を机の上に置いた。

「グレイン少尉は、それでいいと?」


「前回は筆記試験と面接、あとは乱闘でしたから。まあ、そのせいで合格者1人でしたけど……ま、愚策ですよね。前回の担当者、降格になったし」


「結果論ですが、その合格者に問題がありましたからね。……なので今年は、協調性を見たいなと、チーム戦も考えていたんですよ」




 ただ如何せん人数が……、と呟くマルコに、グレインはやれやれと肩を竦める。




「どうせ、大佐の事ですから短期で終わらせるつもりはなかったのでしょう?」


「ふ。まあ、少し考えもありまして……ね。最終試験はじっくり執り行おうかと」


「じっくり……って、え?」




 マルコは笑顔を浮かべながら、グレインに向かって頷いた。




「仕方ありません。予選を取り入れます」


「予選……って?」


「チャンスは2回、1回でも勝てば通過です。……戦ってもらう相手はランダムに機械で選んでもらおうかと」


「誰と戦うかもわからないって事ですか」




 面白い、とボヤくグレインにマルコは満足げに頷く。




「実践では誰と戦うかわかりませんし、ね」

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