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スケルトンはガチャスキルで強くなる  作者: 一時二滴
第一章 ダンジョン攻略
47/99

フラグ回収

総合評価1000いってたよ!ひゃっほぉい!!

 今、俺はレッド・ヴァン・スカルと対峙しようと思うのだが、未だにレッド・ヴァン・スカルは俺のことに気付いていない。このまま襲うと奇襲になってしまう。」

 いや、時と場合によっては奇襲もいい手なのだが、今はそういう時ではない。搦め手など一切なしの単純な|物理(剣)のみの実力でレッド・ヴァン・スカルを圧倒しなければならないのだ。……ってずっとレッド・ヴァン・スカル連呼してるけど長いな。レドヴァンと略そう。うん、そうしよう。急だけど。


 と、そうこうしているうちにレドヴァンが俺のことに気付いたようだ。

 すると、獲物でも見つけたかのように真っ赤に染まった骨の顎をカタカタと鳴らしながら嗤った。

 なめてんなこいつ。見てろよ?思いっきりぶちのめしてやるからよ!!


 早速俺は両手でドラゴンスレイヤーを握りしめ、足腰に力を籠める。徐々に地に着いた足が地面抉っていく感覚が伝わってくる。

 準備万端だ。スタートダッシュを切る用意はもう十分にできている。合図はそうだな、奴が動いた時としよう。

 そう思いながら力を更に込めていく。視線はレドヴァンただ一人に絞られている。外れることは決してない。


 レドヴァンは俺の絶対殺すという雰囲気を感じ取ったのか嗤うのをやめると、今度は逆に震え始めた。恐怖でも感じているのか、もしそうならば奴にはわかっているはずだ。今動いたら殺されると。

 奴は俺がこうしている限り絶対に動かない。ならば、フライングでもかましてやろう。

 土を抉り続けた足を開放し、恐るべき速さで俺は前へと前進した。混沌により俊敏にステータスが振られてしまったからだろうが、そこはまぁ妥協だ。

 そして両手に握りしめたドラゴンスレイヤーを横薙ぎに振り回す。レドヴァンの防御力より600以上も上の攻撃力に加え、混沌による異常な攻撃速度、それに乗った計り知れない遠心力によってレドヴァンの胴体は壁に叩き付けられるとともに同時に粉々に砕け散った。


 ……予想より遥かに呆気なかったな。スキルを使うまでもなかった。混沌の影響もでかいんだろうけど、こうも容易いとデイルも案外楽に攻略できるんじゃないか?とも思ってしまう。

 いやいや、そんな浅はかでいいのか?デイルはそんなに弱そうに見えたか?もし今俺の目の前にデイルが現れたのならばどうだ?勝てるか?

 答えはノーだ。まぁ、そんなこと起きるわけないと思うけど。

 ……ないよな?


 まあ考えても仕方がない。そうして俺はレドヴァンの魔石を吸収するため壁へと向かっている途中に新たなる魔物が現れた。

 ロートゥン・ヴァンパイアのご登場のようだ。こいつも名前長いし、これからはロトゥンで。


 しかし、いいところに来たロトゥンよ。今の俺は気分がいい。デイルには勝らないだろうとはいえスキルを使わずともここの魔物を一撃で葬ることが出来たのだ。凄まじい高揚感が心を満たしている。

 まるで万能になったかのような、そして自分が頂点かのようなこの感覚。一言でいえば気持ちがいい。

 俺はこの高揚感をまだ感じていたい。だから、ロトゥンも一撃で葬りさり、この感覚を継続させて貰おう。

 だが、さっきは防御力と攻撃力に絶大な差があったからこそ成り立った一撃。対してロトゥンと俺の防御力対攻撃力の差はステータスを覗いてみたところ200程度。でかくはあるのだがレドヴァンと比べてしまえばあまりに小さく見える。仕方ない事だろうけど。

 一撃で倒したい俺にはどうしても小さく見えてしまう。

 ならばどうするか。異常な攻撃速度と混沌の俊敏、そして200程度の攻防差。他にもほしい。

 ……そうだ!重力を使おう!

 大振りにすればこの三つに加え重力も乗る。多少ではあるだろうが一撃へと近づけるだろう。


『やめといたほうがいいのでは?別に一撃にこだわる必要性はないのではないのでしょうか。』


 いや、一撃がいい。気分だからだ!!


『……そうですか。』


 叡智の反対を押し切って俺はドラゴンスレイヤーを振り上げた。そして、再び足へと力を籠め、今度はスタートダッシュの合図を待つことなどせずに解き放つ。

 急に目の前に俺が現れた様に見えたからかロトゥンは驚いた表情を見せている。だが俺はそんなことお構いなしと両手に構えたドラゴンスレイヤーを鎚を振り下ろす要領でロトゥンの身体を真っ二つに叩き割った。


『……!?その場から後退してください!今すぐ!』


 え??どゆこと?


『早く!!』


 俺の疑問をスルーして叡智は焦ったように声を上げる。

 どうしたんだろうか。とりあえず俺はその場から後退しようとする。しかし、どうやら少し遅かったようだった。

 ビキビキビキとひび割れるような音が足元から鳴り出した。そこから足場が不安定になっていく。歩けども足場となる地は凹み、まともに前へ進めない。これはヤバい!と危機感を覚えた頃には強制的に浮遊感を覚えさせられ、これから真下へと落下していく未来が待っていることが分かった。

 どうやらロトゥンと同時に地面もたたき割ってしまったようだ。


 ●●●


 こ、ここは……。

 辺りを見回すと飛来物である土や岩がわんさか転がっていた。

 何分ほど落下していたのだろうか。落下物が落下地点の物を砕き、被害をどんどんと大きくしていったのを覚えている。途中で魔物も巻き込まれてたな。しかし、地面に叩き付けられる感覚を何度も味わい、かなり腰が痛い。いや腰骨といったほうがいいのだろうか。

 はてさて、俺は何回ほど打ち付けられたんだろうか、確か……八回くらいかな?じゃあ、八層分の階層を一気に落っこちてしまったってことか。じゃあ、今俺のいる階層は何階層だね叡智君?


『三十階層です』


 なるほど三十階層ね、最終階層の……え?

 ちょちょちょ、ちょっとまって?もう一回お願いできる叡智君?


『はい、三十階層です』


 き、聞き間違いじゃなかった!?と、ということはつまり……。


「クフフ、随分とまぁ派手な登場ですね」


 白髪でオールバックのダンディな男、デイルが目の前に佇んでいた。


 いや、フラグ回収早すぎだって!!

書き貯めたものはここまで。またいつか書けた頃に会いましょう。

因みに次回は悪魔、デイルの過去を書く予定です。

(いつ書くかは未定)

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[気になる点] 何度も主役を描いていますが、教訓を覚えられない書き方はこの作品の評価を下げるだけです。
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