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スケルトンはガチャスキルで強くなる  作者: 一時二滴
第一章 ダンジョン攻略
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デイルの過去①

デイルの過去編に合計四話作りました。

 いつ誕生したのか、どう生まれたのか、その一切を覚えていない。まるでそこに存在するのは当たり前という様に、幾ら記憶を漁ろうとも出てくることは無い。あるのは同じく住むものを傷つけられないことと、洞窟から出ることは許されないという決まりだけだった。

 意味が分からない。ここに誕生した意味が理解できない。生まれてすぐに私は混乱に見舞われた。

 しかしそれも束の間。醜悪な顔つきでケタケタと嗤う緑色の何かが目の前に佇んでいたことに気付いた。のちに私はこいつがゴブリンという魔物だと知る。

 片手には一本の剣。所々の刃こぼれは目立つものの切れ味は確かにありそうな立派な剣をゴブリンは携えていた。


 早く逃げろ。


 本能がそう訴えていた。

 何故?そんな疑問を持つことは無い。ゴブリンが剣を振り上げた瞬間にその後の光景が目に浮かぶからだ。

 私は未だ動かしたことすらない身体を強引に捻り、振り下ろされるその剣を間一髪避けることができた。


 さぁ反撃しろ。


 またも本能がそう訴えるがそう簡単にいかなかった。立ち上がることは出来たものの動き慣れてないせいか、度々動作が反映されない。

 碌に動きもしない私は隙だらけ。ゴブリンは思ったことだろう。好機だと。

 今度は剣を横に薙ぐ。胴を切り裂き、息の根を断つ目的のそれを避けるには鈍すぎる動きの私には難しかった。だから力を籠めることはせず、逆に力を抜いた。

 すると崩れ落ちるように私の身体は地面に叩け着けられ、私の頭上擦れ擦れに刃先が通り過ぎた。

 勢いをつけすぎたせいだろう。ゴブリンは剣に引っ張られるように体勢を崩し、剣を放り投げるように手放すと同時にうつぶせに倒れてしまった。

 今度こそはと再び立ち上がり、ゴブリンの背中に馬乗りをすると目一杯殴りつけた。殺傷力のあるであろう剣を使えばすぐだろうが、それを取りに行っている間にゴブリンにまた起き上がられればまた鈍い動きで対峙することになり、最悪やられてしまう。ならば安全を取って腕で殴り殺したほうがどう考えてもいい。

 殴られている間、ゴブリンは当然のたうち回る。我武者羅に振り回される手足が私の身体を殴り傷をつける。だが殴るのを止めない。絶対に。


 殺し合いの中で生まれた我慢比べは終わりを迎え、ゴブリンの頭はグチャグチャにつぶれていた。

 ドッと疲れが襲ってくる。程々に硬い頭蓋骨を突き破るまで毎回力を入れていたのだ。当然という他ないだろう。その時、力が湧く感覚がしたが気のせいだと思い、気にしなかった。

 その後、私は死に絶えたゴブリンを放置し、自身の手に目を移す。汚らしい赤い血で塗られた素手。だが注目するところはそこじゃない。私の身体には肉がないのだ。ゴブリンの様な肉が。つまり、骨のみ。骨で構成された身体だった。のちにこれをスケルトンと知る。

 不思議には思う。何故ゴブリンと姿が全く違うのか。だが気にしても仕方ないとすぐに思考を切り換え、投げられた剣の方へと歩んでいった。

 身体もある程度動かし方がわかってきたため、先程よりはスムーズに動いた。

 剣を目の前にすると刃ではない方を握りこむ。するとなぜだか手に馴染んだ。自然に振るうことが出来、驚きを隠せない。

 何故かと思っていたその時剣はすっぽ抜けてしまう。どうやらゴブリンの血のせいで滑りやすくなっているようだった。

 ゴブリンの持つ腰布でその血と剣に付着してしまった血を拭うと剣を握りなおす。

 この剣と共ならば何者でも倒せる。そんな気がいていた。

 しかし、そう甘くはなかった。


 少し歩くと私と同じ見た目のスケルトンが現れた。手には一枚の紙のみで武器らしい武器は持っていない。対して私は剣を持っている。賢明なら逃げてくれるだろう。私も疲れているため、それを願うばかりだが敵は拳を構えながら丸腰で突っ込んできた。

 私はすかさず剣を構える。その時になってやっと気づいた。私の疲れはピークに達していたことを。剣を静止させることが出来ない。先ほどの様にうまく振り回すことが出来ないだろう。

 ならば。と私は突っ込んでくるスケルトンに合わせて剣を振り上げ、重力に任せて振り下ろす。

 しかし、剣速が遅すぎたのだろう。ヒョロヒョロと振り下ろされる剣をスケルトンは半身で躱し、勢いのつけられた拳が私の顔に突き刺さる。痛みのあまり剣を手放してしまった。

 仰向けになりながら吹き飛ばされた私の身体は動かない。視線を先程のスケルトンに向けると私の手放した剣を握っている。


 あぁ、死んだ。


 そう理解したころに私の胴と首は跳ね飛ばされた。


明日次話を投稿します

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