95、朝ごはんへの道のり
おれは怪獣ボックスドン。
毎日、腹をすかしてる。
今日も朝から食事を探す。
おれは怪獣ボックスドン。
愛を食べて生きている。
どこかに愛が落ちてないかな。
今日の朝ごはんはまだ見つからない。
おれは怪獣ボックスドン。
まだ、飢えて死んだことはない。
ずしん、ずしんと道路を歩いて、
「あなた、お弁当よ」
といって旦那様を送り出す奥様の心をひょいとつまんで、朝ごはんを食べた。
むしゃむしゃ、美味しい愛の味。
ああ、この奥様は本当に旦那様のことが好きなんだなあ。
そう思った。
おれは怪獣ボックスドン。
愛を食べるが、特に悪いことはしない。
「ぎゃおー、ぎゃおー、おれは怪獣ボックスドン。とっても悪いやつさ。さあ、おれを倒してみろ。おれは怪獣ボックスドンだ」
都会の真ん中におかしな怪獣が現れた。
「おや、今頃、怪獣なんて珍しいね」
「そんなことより、最近、ときめくことがなくなったね。なんというか、世界がしらけているよ」
「ああ、それは文明の発達が原因でしょう」
などと勘違いな分析をする人々。
「ぎゃおー、ぎゃおー、おれは腹が減ってるんだ。こんなことは今までは考えられなかったことだ。おれが飢え死にするなんてことは考えられないことだったんだ。だから、おれをやっつけてみろ。おれは怪獣ボックスドンだ」
自衛官が調査したところ、怪獣辞典によると、怪獣ボックスドンは愛を食べる怪獣だという。
「ああ、最近は荒んでいるからね。それで、あんな怪獣が巣から出てきたんだろう」
ドカン、ドカン。と発射された爆撃によって、怪獣ボックスドンは退治された。
怪獣ボックスドンは退治された。
怪獣ボックスドンの体が分解され、世界中に愛が。




