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94、シーソーゲーム

 ある時、空から星が消えた。

 ちゃんと、昼と夜はくり返す。だが、惑星を除く、すべての星が観測できなくなった。

 星空は真っ暗になった。

 闇。

 夜は、お月様と惑星が動くだけの、真っ暗な闇。

「へえ、わたしは星なんかに興味ないから、どうでもいいなあ」

 という友人におれは怒った。

「何いってるんだ。ひょっとして、太陽系以外全滅したんじゃないのか!」

 友人は何をいっているのかわからなかったし、しらばくして、意味がわかってからでも、それがなぜ重要なことなのかわからなかった。

「だって、人類は太陽系だけで住んでるんだよ。何千年たっても、きっと太陽系から出れないよ」

「うるさい! うるさい! この異常事態にきみみたいな対応をする人がいるなんて信じられないよ。日本沈没って小説を知ってるかい。それと同じようなものさ。実は、日本以外全部沈没というギャグ短編も存在するんだが、これはそれと同じことが起こったんじゃないのか。つまり、太陽系以外全滅したんだ。この宇宙を自由にできる何者かが、太陽系以外必要でないと決めてしまったんだ。こんな悔しいことがあってたまるか。悔しいんだ。とっても、とっても、太陽系にしか価値のあるものがなかったことが悔しいんだ」


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