85、世界が忘却を決定する時
世界は滅亡し、人類はあと三人になっていた。
アサトは、ミギトの体の傷を見た時、ミギトが機械仕掛けであることを発見した。
「ミギト、きみはロボットなのか?」
「はあ、何をいっているんだ。おれは人類に決まっているだろう。そういうアサトこそ、ロボットじゃないのか?」
二人はお互いに様子を探りあった。人類を再び再生するためには、ロボットではなく、ヒトがいなければならないと思ったからだ。
ミサトがいった。
「あの、実はわたしは自分の体を調べてみて、わかったことなんだけど、わたしはヒトではなくロボットみたい」
愕然とするアサト。
「何だって? まさか、もう人類の女はいなくなったのか?」
「そんなに驚くことはないじゃない。ミギトもロボットみたいだし、人類はアサト、あなたしか生き残っていないのよ」
呆然とするアサト。
「おれは、おれはどうしたらいい。どこかに卵子はないのか」
「そんなもの、この地球のどこにも残ってないわよ」
騒然とするアサト。
「ああ、ああ、苦しい。おれが最後の人類なんて。誰か助けてくれ」
絶望したアサトは、崖から身を投げて、死んでしまった。
死体を見て、ミギトとミサトはいった。
「なんだ。アサトもロボットだったんだ。人類なんて、とっくの昔に、絶滅していたんだね」
※わたしが大学生時代に初めて完成させたSFのデータは消えましたが、記憶をもとに超短編に再現したものです。




